大阪合気道自主稽古会

流派を問わない合気道の稽古場です。小説、漫画、などが混在しています。稽古記録はタグをご利用ください。出典明記があれば図の引用については問い合わせ不要です。。

稽古記録172(2019/8/11)

2019/8/11 (日) 野外道場

                   <まとめ >

 1.  自然な姿勢に至る、不自然な姿勢

2.重心の低さと居着かないことを両立するためのテクニック

 

今月まで姿勢のことをずっとやっていました。そのおかげで重心を落とすことはわりと意識してやれるように。ところが…足が動きにくい?!今日解凍する脳内圧縮ファイルは「低くなっても居着かない」です。

  f:id:fanon36:20190813122857p:plain

 Fig.1 「足が動かないぞ!?」

 

 1. 意識だけでは無理

重心を落とすことで、もともとやばかった「居着き問題」が顕在化しました。以前は自分の居着きは意識の低さが原因だと思っていて、「あ、足。」と気づくたびに動くようにしてました。でもこれ、どうやら違います。足が動きにくいような体の状態だから、無意識に動かずに凌ごうとしてたのです。

 

2. 自然体はあくまで最終目標

散歩するような自然な足さばき。余裕ありげでカッコいいですよね。どっしりと重苦しくなくヒョイヒョイと捌きたいものです。極端になると酔拳ですよ。でもこれ、いわゆる三千歩目ではないですか?(三千歩目=最終目的地。稽古記録170参照)  完成形をいきなり目指すことはたいてい遠回りなのですが、あやういことに自然体の真似をするのは楽ちんだし、軸を保ちやすいんです。だって普通に立ってりゃいいんだから。でも本当に上手い人は、低くなっても同じように動ける。私はダメです。自然体を、低い姿勢は辛いからという言い訳にしてました。本来は、一旦しっかり低く動ける体にして、その上で自然体、という順序だったのでは。

  f:id:fanon36:20190813123751p:plain

Fig.2 左:うまい人 右:下手な蟻

 

3. 足が動きにくい状態とは?

  • 重心が片足に偏っている:その足を普通に動かすには、重心を一旦対側に戻してからバウンドをつけないと動かせません。片足に乗るってことは、自分でその足を畳に押さえつけてます。
  • 腰を落としている:重いものを持ってヨチヨチとしか歩けないやつです。
  • 下肢の筋力が弱い。疲れて辛いので足をサボろうとしています。f:id:fanon36:20190814142945p:plain

Fig.3 重量がかかった足は上げにくい

 

4. 自然体(ふつうの高さ)に至る第一歩目は不自然体(低い姿勢)

姿勢は安定第一ですから腰を落とすのは正しいです。ところが腰を落とすと足が出にくくなる。この解決が第一歩です。体を重くしたときに足を上げにくくヨチヨチ歩きになるのは、重力に逆らって足を上げようとしているからです。地面を蹴るというふつうの歩き方ではそうなります。はじめ私は筋力不足かと思っていました (筋肉バカ)。ある時、たまたま合気道仲間が膝抜きにはまっているという話を聞いて、コレだ!と思いました。

f:id:fanon36:20190814144444p:plain

Fig.4 F=摩擦力, N=垂直抗力, μ=係数。 A:ふつうの歩き方。摩擦力Fを減らすために足を上げる。 B:膝抜き。摩擦力を減らすために垂直抗力Nを減らす。

 

合気道の回転はダンスのジャンプと違って体が下がります(稽古記録151-4)。それは膝抜きではありませんか。合気道の歩き方は摺り足と言われます。それも膝抜きです。あ~鉄板の基本練習である摺り足をきちんとしていれば!腰を落としても支障なく歩けたはずなのです。難しそうで見ないふりをしていましたが、腰を落としたままフットワークを軽くするにはもう避けていられません。というわけで、一歩目は「膝抜きに戻ろう」。

 

5. 摺り足は蹴らない。重心移動で足を出す。

膝抜きといえば摺り足ですが、能の摺り足など畏れ多いものは目指しません。後ろ足で蹴らずに重心移動で足を出そうよ、くらいが第一歩です。

f:id:fanon36:20190814135650p:plain

Fig.5 A:足を出しておいてからそれに体重を乗せると重心移動スピードは一定にならない。B:体重を移動することで足を出すと上体は一定スピードで動く。これ摺り足。

 

6. アクティブな摺り足は筋トレ必須

武道ではスリスリ進むだけでなく足を入れ替えたりターンしたりします。進むだけ摺り足より、もうちょっと浮かせる必要があります。床を蹴らずに。

となると、下肢を筋肉だけで引き上げなければならないので、めちゃくちゃしんどいです。これがいやで第一歩目がふみだせなかったのだなぁ。でももうやるしかないのです。よって次回の当稽古会のテーマは「膝抜き歩行の特訓方法」になりました。うちは暑苦しい稽古会だなあ本当に。

 

7. 挙動不審な町歩き

日常生活でも、バスを待ったりレジ待ちなどで立っている時、セルフ抜き打ちテストをします。一瞬膝抜きして数ミリ移動。常姿勢から急に動けるかどうかの確認です。エレベーターで1人きりなら転換してしまってもよいです。よーし やるぞ〜、という構え無しに、ぼんやり立ってるままの姿勢から急にです。「起こり」のない動作、できるといいですね。

注:エレベーターには防犯モニターがわりと付いています。やるなら警備員に見られて恥ずかしくない転換を。

 

  

 

 【おすすめ便利グッズ】

びわこ成蹊スポーツ大学スポーツ情報戦略コース高橋佳三先生の説明がすごく分かりやすいです。テニスのターンとか、感動します。

DVD付 古武術for SPORTS いきなりスポーツが上手くなる! (よくわかるDVD+BOOK SJテクニックシリーズ)

DVD付 古武術for SPORTS いきなりスポーツが上手くなる! (よくわかるDVD+BOOK SJテクニックシリーズ)