大阪合気道自主稽古会

流派を問わない合気道の稽古場です。小説、漫画、などが混在しています。稽古記録はタグをご利用ください。出典明記があれば図の引用については問い合わせ不要です。。

稽古記録179(2019/8/25)

019/8/25 (日) 無限塾白石先生

                   <まとめ >

 1.  無元塾大阪講習会3回目: 回転回転回転回転ひょうたん膝

 

東京無元塾の中心帰納講習会in大阪はめでたく3回目になりました。今回、私が印象に残った内容を書きます。 <無元塾(https://mugenjyuku8-aiki.jimdo.com/)>

 ※中心帰納については上記公式ページのほか、過去記事「中心帰納稽古」他、タグ「中心帰納」をご利用ください。

 

1. 回転回転回転

最近私が拘っている「回転」です。

受と繋がってから回転するのではなく、常に回転している内部の球に受が触れて転がされる、というのが目標(Fig.1)。ですが始めにその「感じ(白石先生は『質感』と表現される)をイメージします。瓢箪で。

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 Fig.1 暴走ボール

 

2. 好きなやり方を。

2-1.ひょうたん

私が今回いいなと思ったイメージは「水に浮かぶひょうたんをつつく」です。緊張感が無くてなごみます(Fig.2)。そのイメージでやってみたところ「この身体感覚、何かに似てるな?」と思いました。するとつい先週に柔術の道場でやった「膝緩め」を思い出しました。

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Fig.2 瓢をつつくと沈まずにツルリと回る

 

2-2.膝ゆるめ

力がぶつかってしまって肩が固くなっているとき、私は肩や上腕の力を抜かねば、と思っていました。ふにゃふにゃだと押し込まれるから、折れない手を作って、かつ力みをとって…。でも先週は、もっとビギナー向けのことを教わったのです。つまり「上半身はうまく力を抜くのは難しいから、まずは膝だけでも力を抜いてみなさい」ということです。最悪、上半身がガチガチでも下半身が緩められていたらいい、とのことです。たしかに下半身は重力に対していつも立っているので、力を抜いてもふにゃふにゃにまではならず、いい具合に抜きやすいのです (Fig.3)。膝を緩めるだけで、体が受の力に沿って自然とクルリと回って力のぶつかりがなくなりました。このときの回転が「ひょうたんをつついてクルリ・プカリ」と同じ感触だったのです。

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Fig.3 上半身がレゴでも、下半身が良ければびっくりするほどクルリと回れる。

 

3. 1歩目より0.5歩目

最近、「稽古段階の一歩目さがし」をしていました(稽古記録170あたり)。でも熟達した先生の指導は私が思いついた一歩目よりも根本的なところに迫るものですね。0.5歩とかです。0歩に近いほど本態に近い必須項目ですから、深く理解していないと思いつかないところです。だから先生方が初心者に教えるときのはじめの一手は、とても勉強になります。新規入門者がいるときは、こっそり耳を澄まして先生がなにを教えているか盗んでいます。

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Fig.4 1歩目が、その後のルートを決める

 

力が拮抗したとき、私は胸鎖関節を緩めるのが1歩目だと思っていましたが、それは一歩目ではなく、どうやら3歩目くらいでした。もっと1歩目は、白石先生によると腹であり、大東流では膝であり、どちらも同じ感触が得られます。骨盤と股関節が360°勝手にツルリと回ります。しばらくは2歩目以上の高度テクニックは忘れて、この回転を身に着けることにしよう。

 

 

 4. 力ではない技のための力:きれいな球つくり

もともと私は縦の動きを無視していた時期が長く、動きが球でなく円盤状になってしまう欠点があります。きれいな球の動きができれば、相手を転がすのに力はいりません。しかしその球をつくるのに、筋肉がいるわけです。時々、「力で投げるのではないから、筋トレは有害。」という意見も聞きますが、それはある程度体が出来上がっている人の話だと思います。私はまだ、無意識的に横着して、ヒョロつく中腰をすっ飛ばして楕円の動きになってしまってます。これはなんかヤダ。ということで、引き続き下半身の筋トレはしますよ。

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Fig.5 機関部はエネルギッシュに、はずみ車は軽やかに

 


5.今更中心帰納の忘れていたこと

中心帰納は、「出して戻す・出して戻す」のサイクルです。私は最近、出すのを忘れてました。これでは引きこもりです。この場合、「出す」とは気だのエネルギーだのではなく、相手をチラ見して「認識する」ていどのサラリとしたものです。私は成田先生の「気は出すものではなく感じるもの」という、引いた感じが粋でいいなと思います。気を発するとかぶつけるとかは暑苦しいではないですか。いや私はだいたい暑苦しいけど。逆のタイプに憧れるのです。

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Fig.6 左:出すのは暑苦しい 右:ちょっと引いてるのはクール

 

 

6. 中心帰納はどこまでアレンジ?

稽古事は基本をしっかりするのが第一で、あまりアレンジはすべきでない。のですが、やっぱり色々試してしまいますよね。

6-1. 戻す「位置」

今回の講習で、中心帰納の場所は正中であればどこでもよいとのことです。額でも、後頭部でも首元でも壇中でも丹田でも。

…熟達したら正中以外、それも毎回違う部位でもいいのですかな…?私は最近、それに興味があります。場所を固定するのではなく、決まったルールではじきだす、その時との時の中心帰納部位(仮説)。

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Fig.7 A:前に伸びるには後ろを引く B:押し下げるには伸び上がる C:押すには押される

 

 

6-2. 戻す「範囲」

中心帰納の部位は大きさを持たない点というイメージがあります。漫然と広い範囲よりも特定の一点の方が意識を集中しやすいです(Fig.8)。もし 中心が臨機応変に移動するとすると、これももはや「電子の雲」になるのかな?

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Fig.8  A:全身…? B:ピンポイント 

 

6-3. 戻す「素地」

あと、空虚なゼロバランスと、充実したゼロバランス。後者の方が、自分の真ん中が分かりやすいです。将来的には空虚なゼロも使いこなせなければならない気がしますが。

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Fig.9  上:空虚なゼロ  下:充実したゼロ

 

 

7. 突撃出稽古

東京に本拠地を置く無元塾白石先生は、成田新十郎先生の合気道を伝える講習を半年に一度くらい大阪で開催されます。知らない土地で見知らぬ武道家相手に教えるというのは試合のない合気道において、自分の合気道が試されるほとんど唯一の方法で、勇気が必要です。指導者は成長しつづけようとすると厳しい道をいかねばならないのですね。わたしたち生徒は、合同稽古などで普段組まない相手と稽古するくらいなので、気楽だな。