大阪合気道自主稽古会

流派を問わない合気道の稽古場です。小説、漫画、などが混在しています。稽古記録はタグをご利用ください。出典明記があれば図の引用については問い合わせ不要です。。

稽古記録151 (2019/6/28)

2019/6/30 (日) 15:00-17:00 地下室 参加者:0人 負傷者:0人  幽霊:1人

                   <まとめ >

1. 正面打一教と向き合う

2. 検算、進捗確認装置としての定型

 

 「実は正面打ち一教ができない」という辛い現実を見る作業に、最近やっと手をつけています。嵐の日、地下室で…。

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 Fig.1 「ああ見たくない。」

 

1. なぜ型をフォローしますか

合気道の型は、"あんなの弟子にしか通じない踊りだ" と揶揄されることがあります。しかしね、たとえ踊りだとしてもあの振り付けを正確に演じられるかというと、ものすごく難しいです。数種類の身体技術の完成度が試される、一種のチャレンジなわけです。試合のない合気道で、自分の未熟さをスコアリングするものです。ではラスボスから行きましょう。一教です。

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 Fig.2 地図(型)は、面白くなくても現在位置と進むべき方向が分かればよい

 

2. 積み残しがち一教

一教ができなければ二教ができず、二教ができなければ三教ができない、といわれます。しかし公式道場では一教ばかりするわけにはいかないでしょう。ですから一教は自主練が必須になります。だいたい道場では「公式の型を正確に演じる」練習に時間を割くような事はしません。いまどきはテキストもDVDもあるのだからそれくらいは自習しときなさいよ、ということでしょう。となると、これ以上、積み残し問題から目を逸らしてはいられません。

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 Fig.3 お手本はサラリとやってるように見えますが、思ったより何倍も難しい 。足型すら真似できません。(=現実。)


3. 足さばきの難しさ

一教裏では途中スピードに乗った状態での270°以上の転換がありますが、それは上体がぶれず、腕と上半身と下半身がまとまっていて初めてできることです。私にはできませんでした。だいたい私は合気道ターンができないことには最近気づいており、ここ数回の稽古では先生や先輩の足ばかり見ていたのですが、袴のせいでよく分からないままでした。そこで、難関の一教を「まずはちゃんとターンする」という次元に落としこんで練習しようと思います。

 

4. 合気道のターンのむつかしさ

ダンスでターンするときは、体を浮かし気味にして最初の回転力を出来るだけ維持します(Fig.4 C)。合気道ではむしろ沈み込みながらターンするので馴染みのない体使いです(A)。ブレーキをかけながらアクセルを踏むに等しく、もうガタガタです。しかし合気道ターンは、重力によって沈みこむことを摩擦力を増大させるというマイナス要素ではなく、天体公転運動における引力(B)と似たものとして使っているのだと思われます。つまりダンスが下への力(重力)をブレーキとして使う(D)のに対し、合気道では加速度として使うということです。

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 Fig.4 A:螺旋でなければならない理由

しかし、もしこの理屈が合っていたとしても、体現するのは難しいです。私が転びまくるのは上体の軸がぶれるからです。ダンスターンでは上体を伸ばすことと浮身を作ることは同じ方向性でシンプルですが、合気道ターンの重心を沈め上体は伸ばすというのは逆方向の意識であり混乱するからです。実際 四方投げなどでクルンとしたダンスターンをよく見かけますが、気持ちは分かります。その方が自然だからです。もしくは下半身が弱くて合気道ターンが辛いかです。

 

5.重りをつける

そこでコマの軸を立てるには質量が役立つことから、何かを持って合気道ターンをしてみます。すると遠心力のお陰で軸を立てるのがとても楽になります(Fig.5)。散々やってから、何も持たずにやると うまくいく確率が明らかに上がります。

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 Fig.5 A:ぶれるので小さく回ろうとしてしまう  B: 椅子を振り回すと楽。C:液体洗剤のボトルはもっと楽だし、より重心を沈ませられる。

 

 6. 割と、もう練習している。

たぶん液体洗剤ボトルを木剣に持ち替えても同じことでしょう。よく考えたらむしろその方が正統派です。合気道用の木剣がやたら重いのは、意味があるのだなぁと分かりました。そしてじつはこの動き、ふだん道場で重ね重ね練習していたものです(Fig.6 A)。

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 Fig.6 役に立つコダマ

そして合気道ターンしながら受を落とす動作において、腕だけを引っ張り下ろさずに体から落とす要素も、普段からみなやっています(Fig.6 B)。ふだんの道場での稽古の重要さとは、そういうことでしょう。

 

一教は始まったばかりですが。