大阪合気道自主稽古会

流派を問わない合気道の稽古場です。小説、漫画、などが混在しています。稽古記録はタグをご利用ください。出典明記があれば図の引用については問い合わせ不要です。。

稽古記録265

2021/9/14 (月) 

                   <まとめ >

 1.  まじめに肩関節その2~拳立てトレーニング

 

前回(稽古記録264「まじめに肩関節」参照)の続きです。

肩の力を抜くには「リラックスを心がける」だけでは全然ダメだと気づき、「リラックスをトレーニング」することにしました。二か月以上やってみて、こんな効用がありました: ①使い忘れていたからだの部分も全部使う ②体に一本芯を通す ③末端からでなく体幹の中枢から動き出す。今日はそんなトレーニングを紹介します。

 

■ 肩リラックスのトレーニングは確立していたのですね。

リラックスといえばシステマ?(完全に素人の先入観)と考え、図書館でシステマの北川貴英先生の本を数冊読みました。するとちょうどいいトレーニング法がしばしば紹介されています。いろいろ読み過ぎて何が何に載っていたか朦朧としていますが、「システマストライク」に図示されていたのは確かです。

それはいわゆる拳立てなのですが、「肩も肘もリラックスさせること、床の感触および体がどう感じているかに集中すること、体の一部でなく全体をまんべんなく使うこと」に注意してゆっくりやるのです (Fig.1) 。7月はこれをひたすらやる月でした。

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 Fig.1 手首を痛めないように腕の軸とまっすぐ。

 

 

■ リラックスするには筋肉が必要なのかもしれない 普段使わない部分の。

身体には癖があります。だいたい日常で行う動作は限られているので、使う筋肉の場所も偏ってくるからです。体を動かそうとするとき、自分が普段使っている筋肉だけを使いがちで、使わない(意識できない)ところは使えませんから、前者に負担がかかるわけです。すべての筋肉を調和して使うことで、リラックスさせることができるという説明です。やっていると、私の場合はこんな順序でだんだん広く使うようになりました(Fig.2)。

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Fig.2 A:始めは力こぶのところの筋肉だけ使ってしまう。B:腕と肘を楽にしようとすると背中の筋肉も使う。C:拳の床についた部分からつま先の床についた部分まで一本にして床に重さを逃がす

 

■ 体幹から動き出すようになります

柔術では手先からでなく腰など体幹の中心から動くことが必要ですが、すぐ忘れて手先から動いてしまいます。拳立てを、腕をリラックスさせたままやろうとすると、体幹から動き出すと楽なことがわかります (Fig.3) 。その感じが身についていけばきっと役に立つでしょう。

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Fig.3 必要に迫られて中枢→末端で動き出す。だってその方が楽だから。

 

 

■ 対人で練習するときに、緊張しづらくなる

拳立ては一人でやるので、腕で体重を支えながら腕の力を抜く作業をじっくり時間をかけてできます。こうかな?ああかな?と、気兼ねすることなくできます。道場で対人練習するときは、相手に気を使ってそんなにゆっくりできませんね。拳立てで「力を抜いてもかなりの重さを支えられんだな。」ということに慣れると、人を相手に練習するときも、余裕をもって力をぬけるようになりました、少しですけど。

 

■ とっても役に立つので、ぜひ正確にやりたいものです。

システマのリラックスのためのトレーニング法は、肩だけではないので、肩の脱力がある程度できたら膝やほかの部分もやってみたいです。肩の力が抜けなくて困っている人は、一度このトレーニングはおすすめです。ただし、ただの筋トレになると逆効果なので、トライするときは本を読んで注意点を守ることが大切と思いますよ。とてもいいことが書いてあります。(例えば、「拳立てで体を沈める際には、体を床に降ろすのではなく床を自分にひきつける意識で」など、「なるほど!」と普段の稽古との共通点から合点がいって、膝を打ちました。とても面白いです。)