2021/7/5 (月)
1. まじめに肩関節
今週のこと。稽古の最後に先生がわざわざ私のそばに来て「あなたの問題は肩が上がることですね。」とおっしゃいました。その日の技は天地投だったので、とくに肩が上がってしまわないように気を付けていたのですが、やはり治ってなかったのです。ということは、このまま「気を付ける」だけではダメってことです。どうすればいいのでしょうか?
■ 肩の下げ方いろいろ
私は構えの姿勢では何とか肩を抜いていられますが、手を挙げる時に肩が一緒に上がってしまうようです。そこで、手を挙げながら肩を下げようとしてみるとやり方はいくつかありました。(A)肩を下げる筋肉をギューっと使って下げる方法 と、(B)カクンと自然に落ちる位置に落とし込む方法 などです。(A)は肩の筋力を使うので常に意識しなければならず疲れます。(B)の方が楽で、腕がよく伸びます。なので(B)の位置を自然なニュートラルポジションになるように体が覚えればいいですね。木刀を振り上げる動作を横から鏡で確認してみます。
■(A)は末端先行、屈筋側
手首や親指側(橈骨側・屈曲側)が先行するようにして振り上げると、肩口が引き出されて上がってしまいます。これを下げようとすると、筋肉で肩を引き下げることになります。これが(A)です(Fig.1)。
Fig.1 上がる肩を筋力で引き下げようとしている。腕が上がるにつれ、軌道は外に開いていく(B-1)。
■ (B)は中枢先行型、伸筋側
一方、肘の内側(尺骨の近位端)が先行するようにして振り上げると、上腕の伸側が引き出されるようにして肩が背中の中に落ちるように下がります(Fig.2 B-1)。楽です。ただし、方法Bでは肩関節の可動域が少なくなりました。なので背骨と骨盤を協力して動かす必要があります。すると体の中心線にギュッと身が寄る感じがします(B-2)。
Fig.2 B-1: 肩が歯車のように回転して背中側に落ちる
Fig.3 Bのやり方で腕を上げようとすると、背骨がややしなり骨盤が傾きます。
■ 意識するだけではなかなか直らないようです。
今まで何年も、直すべき身体癖に対して「意識して稽古しよう。」としていました。が、これではなかなか直らないことが分かりました。ただ「意識しよう。」と決意するだけなのは、ちょっと見は自分に厳しいようでいて、じつは怠慢な態度でした。鏡で変な自分に向き合い、原因を分析し、繰り返しトレーニングすることが重要でした。
自分ではちゃんとやっているつもりでも体は全然思うように動いていないので、癖の矯正には鏡を見ながらやることが大切だったなあと再確認しました。何年かぶりに。やれやれ。