大阪合気道自主稽古会

流派を問わない合気道の稽古場です。小説、漫画、などが混在しています。稽古記録はタグをご利用ください。出典明記があれば図の引用については問い合わせ不要です。。

稽古記録266

2021/9/26 (日) 大阪北区 

                   <まとめ >

 1. まじめに肩関節その3~肩は置いといて胴体を調節することで、迷路脱出!

 

前回(稽古記録265「まじめに肩関節その2」)の続きです。こないだ空手の師範代に肩甲骨の立て方を教わりました。なんで肩甲骨を立てたいの?それは、上腕をリラックスさせたまま、体幹につなげられるから。そうなれば、脚の力が手に伝わって、下半身で手を操作できます。

 

■ 肩甲骨の位置をいろいろ試してみよう 楽な四つん這いで。

四つん這いで両手を床につくと、手が固定されて分かりやすいです。肘を縦に締めて(肘窩が前でなく向かい合うように回内する)拳立てします(Fig.1) 。

f:id:fanon36:20210929002518p:plain  Fig.1 上からみて、肘の内側が見えないような肘の位置にするとやりやすい


体幹がぶら下がることで肩甲骨が寝てしまってはいけません。拳→肘→上腕骨の頭→肩甲骨を一直線にします。一本の棒が床に垂直に置かれているように (Fig.2) 。その棒の上に胴体を乗っけます。すると筋肉ではなく骨で胴体を支える形になるので楽ちんです。

f:id:fanon36:20210929002728p:plain Fig.2 実用では肘は軽く曲げることが多いですが、ここでは感覚の練習のために手首と肘の関節はまっすぐします。

 

■ 気が付くと脇がしまっている。胴体を動かすことで。

リラックスして胴体を乗っけると肩甲骨が胴体の重さに引っ張られて寝てしまうときは、腕が床に対して直立していないかもしれません。胴体を上腕の内側にギューっと寄せてみましょう(Fig.3)。肩甲骨が立ち上がって腕が強くなります。

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Fig.3 体格によっては、腕が胸郭にめり込むくらい胴体で腕を押すことになる。


武道の稽古において、よく「脇を締めなさい」と言われますが、これをやってみるとその意味がわかります。胴体と腕を骨格によって一体化するための動きが、自然と「脇を締める」ことになるのです。意識するは腕ではなく、体幹なんだ!ということは新しいアイデアでした。

 

■ 気が付くと肩が後ろに落ちている。胴体を動かすことで。

胴体をリラックスさせると重力によって落ちようとします。その時肩甲骨がまた寝てしまいがちです。前胸部と肩をつなぐ小胸筋まで緩んでしまっているからです。この筋肉で上腕を胴体にひきつけたまま、ほかの部分をリラックスさせるには、「背骨を体の前面に向かって沈めていく」意識を持つことです(Fig.4) 。背骨だけ重力に任せるのです。

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この肩回りのポジションは、合気道の構えの姿勢です。肩を後ろに落とすように胸を張る姿勢です。今までは、「肩を後ろ下方に落とす」ようにしていましたが、肩の位置を固定したまま背骨(と胸骨)を前に押し出す気持ちです。これも意識するのは肩でなく胴体のほうです。

 

■ 腕を意識せず腕を修正する。胴体を動かすことで。

合気道では相手との接触点は手首であることが多いです。「持たれたところを意識しすぎると固くなっちゃうから手首のことを忘れたいのに、いろいろ注意される部分でもあるのでむしろよけいに意識してしまう」という迷路はだれでも一度は はまります。私は今でもはまっています。しかし腕や手首を修正するために、腕や手首はそのままにして「体のほうを動かして微調整する」ことを意識すると、各段に体のまとまりを感じることができることに気づきました。末端にとらわれがちな時は、そうやってみてください。上記の四つん這い練習で体の感覚を覚えると、実際の稽古のときもやりやすいですよ。