2020/10/9 (金) 中央区
1. 膝の目玉
技をかけるときに「膝でやりましょう」とよく言われますね。当然のことですが、膝の使い方も、「あ、膝か~」と言われてすぐできるものではありません。訓練が必要です。野球をしたことない人が、達人からバッティングのコツだけ教えてもらっても意味がないのと同じに。
四か条詰め:
1.力を正中に集める膝
相手に力を伝える時、外から中心へ力を収束させていきたいものです。上半身でいうと、合気上げの時のように背中の力を正中線にギューっと集めて一点を攻めたりしますね。下半身でやる場合も同じです。
両手捕四ヶ条で相手の肩を詰める練習で、腕や手首でなく下半身で攻めます。膝で相手の中心を攻めるのですが、「正中線に収束させていく」動きは、膝を立ち位置から直接相手の中心に向けるのではなく、正中線に沿ってねじ込むように進めます(Fig.1) 。肘の出し方と同じです。これは股関節で軽くやるのではなく、内股をぐっと締めて膝腰を運ぶ動きなので、大腿内転筋群と足親指の鍛えはだいじ。毎日四股立ち練習する理由です。
Fig.1 A:点P1から正中線(L)上の点P2へアプローチする道筋。直接的に向かう道筋αではなく、正中に収束しながら向かう道筋βが理想的。 B:膝も直接的にではなく、収束させながら目的に進める。この動きは内股を締める要領です。 C:肘を相手の中心に進めるのも脇を内に絞りながら(β)。
2.力を潜り込ませる膝
四ヶ条で肩を攻めるのは持ち上げでなく、相手の腕を「立てる」です。そのためには相手の下に肘を潜り込ませます(持ち上げる為ではなく角度を変えるため)。それを膝でやるには、真下にまっすぐ下がります (Fig.2 B)。膝に乗るからと言って前に出ては意味が違います。また、潜り込もうとして上体を前かがみにしたり (C)、一方の肩だけがさがったりする(D) のはまずいです。
Fig.2 分かりやすさのために、肘のかわりに剣で説明。