大阪合気道自主稽古会

流派を問わない合気道の稽古場です。小説、漫画、などが混在しています。稽古記録はタグをご利用ください。出典明記があれば図の引用については問い合わせ不要です。。

稽古記録187(2019/9/22)

019/9/22(日

                   <まとめ >

 1.  半端なく良い姿勢 推手などで学ぶ。

 

最近の姿勢についてです。今日も推手の稽古会にすこし行きました。(競技推手の練習会については稽古記録185参照)

1. 姿勢の威力

推手は二人で押し合って、足が動いた方が負けです。まずは相手の押す力に耐えすのですが、肩を押されるときに少しでも手を相手の体の一部に触れると急に耐久力が上がります(Fig.1 B)。押す側も相手が強くなったことが分かるでしょう。べつに肘を押し上げたりせずに、そっと触れるだけでいいのです。

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Fig.1 まずはしっかり受ける

 

あまりに効果的なので、触ったり触らなかったり第三者が触ったり触る振りだけしてみたり、いろいろ実験しました。結局は、「折れない手を作ることで、いい姿勢が惹起されやすい」のだろうと思います。姿勢によって強くなる(相手の力を受け流せる)のは知っていましたが、これほどとは驚きました。

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Fig.2 站椿功でイメージしても、まだ十分ではなかった、折れない手&いい姿勢

 だから「触るつもりの手の形」を作るだけでもいいはずです。しかし「つもり」はあくまで「つもり」にすぎないのですね。本当に手を伸ばして相手を触る動作には及びません。すごく集中してイマジネーションすると、すこしだけ「つもり」でも役に立つ、くらいです(Fig.2)。

良い姿勢をつくるのは、すごく難しいのですね。ふつうの技をするときも、いい姿勢にしているのに失敗する場合は「つもりになっているだけ」である可能性が高いなと思いました。そんなとき、実際に手を伸ばして相手にバレない程度にピトと触ってみてはどうかな?と思います。次回の自主稽古会で実験だ。

 

2. 立ち方の使い分け

合気道では後ろ足で前からの力を床に逃がす強い受け方をよくします(Fig.3 A)。全身がつっかえ棒になって骨盤は立っています。仙骨を前に巻き込んで骨盤を寝かせる立ち方も使い分けられると便利です。相手の力を受けながら相手の中心を攻めたいとき、後ろ足がつっかえ棒になってて居着いては困ります。骨盤を寝かせて(B①)膝を沈ませると(②)、重心が前足に移動して後ろ足を寄せられます(C)。そこから千鳥足なりを使って入り込めます。

 

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Fig.3 しっかり受けたり、動いたりでた力を使い分け。

 

 

 3.地味だけど驚きの連続。姿勢練習

武道では自分より重くて強い相手を想定します。だから相手を動かすには腕だけでは無理で、体を使います。姿勢と足使いです。姿勢稽古の特徴は人の協力が必要なことです。今自分がどんな姿勢をしているか、を感知する神経が動物にはありますが、自分の癖は癖になってしまっているがゆえに認識できません。だからできてなくても自分では「ちゃんと体をまっすぐしているつもり」「重心を前にも置いているつもり」になります。外部の目で指摘してもらい、矯正してもらわない限り、自力で気付くのは困難なのです。姿勢の大切さと自己矯正の難しさを知る同志と、忌憚なく練習できる機会は貴重です。