大阪合気道自主稽古会

流派を問わない合気道の稽古場です。小説、漫画、などが混在しています。稽古記録はタグをご利用ください。出典明記があれば図の引用については問い合わせ不要です。。

稽古記録255

2020/9/15(火)中央区

                   <まとめ >

 1.  四肢体幹のバラバラっぷりを実感する

  

 体全体をひとつにして動く。合気道の稽古において私はいつも注意していていますが、まだ「手足腰がバラバラですよ」と注意されつづけます。どうすれば体を1つにできるんだろうか?いろいろ試してきましたが全然できないまま。体を1つにする感覚は実際自分ができるようになるまでは説明不能で、言われて分かるものではありません。そこで逆のアプローチをしてみます。「わたくし手足腰バラバラなのは自覚しております。」と豪語していましたが、具体的にどうバラバラなのか説明できないことに気づきます。「イヤン出来ない~」くらいの自覚度でした…。というわけで今回は、「セルフダメ出し」をしていき、自分の「手足腰バラバラ」状態が具体的にどういう状態なのか、を詳しく見つめようと思います。

 

 

1.例:車倒 (立技)

横面打を受けきれずに吹っ飛ぶことがありますね。こんなとき腕だけ体から切り離されてます。腕と体をつなぐのは壁を手で押す時ですから、肩の角度はその感覚で (Fig.1) 。

f:id:fanon36:20200917211504p:plain Fig.1 B:上肢と体幹が繋がる肩の角度

 

壁押しと違うのは、もたれるわけではないことです。もたれてしまうのは上半身が下半身から分離して前のめりになっています。そこで低い位置から逆刃で差し込むときの姿勢 (腰を入れて後ろ膝を緩める) の腰の角度で、下半身に上半身を載せるといいのではないでしょうか (Fig.2)。

f:id:fanon36:20200917211656p:plain Fig.2 もたれず、突く

 

つぎに相手を引き倒すときに、相手の体がついてこない場合。最悪なのは手だけで引っ張っています。間合いが近くて肘・肩の力が使えない (Fig.3 A)。強い腕の間合いを取り直しましょう (B)。

f:id:fanon36:20200917211843p:plain Fig.3 A:間合が狭くて肘が縮こまる B: 折れない手を作れる間合

それでもまだ引っ張り感があって相手がイヤイヤ倒れてくれるような場合は上半身だけで引っ張っています。上半身は固定したままで腰をグルンと回すとよいのですが、これは大蛇のしっぽをもって地面に叩きつける…そんな運動です (Fig.4)。そうすると受は柔らかく抵抗なく落ちることができます。

f:id:fanon36:20200917211948p:plain Fig.4 上半身はそのまま、腰の膝で螺旋

 

 

このように「セルフダメ出し」をどんどんやっていきましょう。

 

 

2.例:車倒 (居捕)

同じ技を座ってやってみます。横面打を崩したいが、相手の姿勢が強くて突き倒すみたいになってしまう。これは腕だけでやっています (Fig.5 A)。膝行してみても上半身がのこってしまう。これは足と腰がばらけています (B)。膝行は脚でなく腰を進めるのだと思いだして、腰から膝行しますよ。すると自分の骨盤の動きと連動して相手が崩れやすくなります。

f:id:fanon36:20200917212237p:plain Fig.5 A:横に引くという弱い形 B:足だけ進んで腰が落っこちてる

 

3.逆腕取 (立技)

胸取させた手を二教に捕って相手の肩を返します。そこから下に落とそうとすると相手が立ち直ってしまう…。これは腕だけで落としています(Fig.6 A)。肩を返した時点で相手は十分に崩れているので、その位置に自分が全身で移動すれば、腕と体は繋がったままでおれます (B)。

f:id:fanon36:20200917212855p:plain Fig.6 A: 腕だけだと相手の体に響かない B:崩れを大事にして自分が適切な位置に動くと、崩れが途切れない



4.腰車 浮き崩しには肘を進める?

左手刀を相手の上腕に添えて浮き崩すのですが、重い…。そう、これも腕だけでやっています。腕だけでは合気上げのように肘を出すにしろ、立ち技で相手の自由度が高いものだから相手は逃げてしまいます(Fig.7 A)。そこで腕が体に繋がる角度で、目的の位置で相手と接することができるように、体を持っていきましょう (B)。そうしてから腰で上げます。繋がらない状態で腰を上げても、腕がずれ落ちたり、上体が前かがみになってしまいますよね。

f:id:fanon36:20200917212953p:plain Fig.7 A:腕の筋力のみ B:水瓶を頭に乗っけるような、強い位置