大阪合気道自主稽古会

流派を問わない合気道の稽古場です。小説、漫画、などが混在しています。稽古記録はタグをご利用ください。出典明記があれば図の引用については問い合わせ不要です。。

稽古記録232

2020/4/4(土)  野外稽古 参加者0 負傷者0

                   <まとめ >

 1.  直接阻止より誘導が省エネ&効果大

 

 暖かくなったので今年初めての野外稽古です。感染防止を踏まえて今回は無参加者・無観客稽古です。会発足当初も自分1人だったので、大丈夫。

 <1> 杖三段抜

各道場の自粛を慮って金山先生が期間限定動画をupしてくれました。ワンランク上の「抜き」の組杖です(Fig.1)。

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 Fig.1  受は打ち下ろし→横切り

 

仕手の打上に反応して受は打ち下ろそうとするがこれを抜き(FIg.1 B)、打ち下ろしに転じて受を止め(D)、いったん退いて抜き(E)、横面打を受けると見せて体を開いて抜き(F,G)、大きく崩れた受のこめかみに当てます。

3回受に空振りさせるので三段抜きというのかなと思います。それぞれ抜くときに、普通ならそのまま当てていきそうなものですが、わざわざ抜くのはなぜでしょうか。やってみて感じるのは、当てると確かに攻撃は防ぐことができますが技が一旦止まります。攻撃に転じるのに一呼吸必要です。しかし空振りさせると、即攻撃の体勢をとれることと、相手が崩れてくれるので裏に入ることができ、こちらの方が得です(Fig.2)。ただしギリギリ当たりそうになるので難しいものです。

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 Fig.2  A:受けると攻撃は止まるが相手は安定しており、こちらは身動きとりにくい。B:抜くと相手は崩れて中心が露出するし自分は攻撃できる体勢

徒手でもきっと同じでしょう。がっちり受けずに相手の力方向に沿って流して崩す。次回の稽古では、この組杖を「まずしっかり当てて、それから抜いてみる」練習をしたいと思います。初めから空振りさせようとすると、どうしても相手はついていてしまうでしょう。

 

<2>二か条(手刀詰)二通りの目的

手刀詰の練習目的は色々あると思います。自分の位置取り・間合い、姿勢と腰の入れ方、固まらせておいて相手のバランスを気づかれずに崩しておく、など。それぞれでこちらのやり方も違います。練習するときは、今日はどれをしようか明確にしておく方がいいです。それによって持ち方が違います。姿勢をやりたいときに強く持ってしまうと、何しているか分かりません。逆に相手の腰を引き出す練習をしたければ、手の内を左右同等にしっかりと締める場合もあります。ここをごっちゃにしてると練習効果が薄れます。手刀詰めに限らず、練習はどれも。

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 Fig.3 A: 位置  B: 接点消し  C: 重心くずし

 

<3>基本動作 剣で

ルーティンの基本トレに飽きたら剣を持つと気分転換になります。キュっとならずにのびのびすることを意識できます。力の方向が可視化できるし。

 

 

<4>逆方向のベクトルを入れる

昔から言われていたことですが、合成ベクトルを分解してみるやつです。左に引くときは腰を少し右に切ったりします。大事なのは上下です。忘れがちだけど相手を崩すときのキモは上下運動だから (Fig.4)。

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 Fig.4 A:右に寄せたいからといって右成分のみでは外れてしまいます。腰が左に切れていると中心向きを維持できる B:受けとめるのではなく浮かせるには腰と膝が沈むことでぶつかりを逃す。

 

 

 

    <Debreafing>

今年初めての野外稽古です。暖かくなってきたのと、密室が良くないことから野外稽古にしたのですが、杖を思い切り振りまわせるのが意外とよかったです。規制が緩んだら杖のスピードアップ版をするので、参加予定者は金山先生の動画でトレーニングしておいてください。

 

最近はどの道場も閉鎖になり稽古難民はストレスが溜まっているでしょう。1人練習にもいい加減飽きてしまいます。しかしいまは1人でじっくり苦手部分に向き合う良い機会かもしれません。武道とは何か、とか。

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普段なら職務質問される羽目になる。こんなとこで棒とか振り回してると。今は人がいないです。