大阪合気道自主稽古会

流派を問わない合気道の稽古場です。小説、漫画、などが混在しています。稽古記録はタグをご利用ください。出典明記があれば図の引用については問い合わせ不要です。。

稽古記録190

2019/9/26

                   <まとめ >

 1.  1人1合気道

 

 1. 合気道ってなんだ?

合気道仲間が言ってた定義は面白いです。『明らかに筋力勝負では不可能なくらい自分より重くて強い人を投げられたら、それが合気道。たとえバックドロップであっても。』想像すると爽快です。

 

2.合気道の定義へのアプローチ(自分なり)

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技のスタイルをもって「アンナノ合気道じゃない、コンナノ合気道じゃない」と言うのをたまに聞きます。そういうのは「関西vs関東すき焼き問題」や「お好み焼きvs広島焼き問題」と同列なので議論しません。一般的に合気道は「力ではない武道」として有名です。しかしこれは合気道固有の特徴ではありませんね。力だけで事足りる武術はないです。スポーツでも重量挙げでも繊細なスキルが争われます。むしろ純粋な筋力だけを争う機会は「体力測定」くらいでしょう。「力だけでない」ことは十分条件でなく必要条件です。

 

3. Limitations

ただしここでは技術の「量的」側面だけに割り切ります。「質的」側面なくしては合気道は語れませんが、今回は脇に置きます。理由は、①「質的転換」も合気道の専売特許ではなくおよそ人間が行う武芸学術全般に存在すること、②思想宗教観が絡むため人格や価値観と混同したり心理的抵抗を生じやすい、③技の不出来を心のせいにすると何とでも言えてしまう、などです。せめて分かりやすい合気道稽古の量的側面だけでも考えようということです。よって「この人の技は合気道か否か?」を量的に判断するときの、めちゃくちゃざっくりした私の基準はこうでした;

  1. 武道であるからには自分よりフィジカルが強い者を相手とする。
  2. だいたい、自分より上背があって体重が1.3倍以上重い相手に、「わりと本気」(←重要)で打つか持つかされたら、筋力だけでは捌くのは無理っぽい。
  3. よって、これに対処できたらそれは『力だけでない技』だと判断できそうだ。
  4. それに加えて、相手に致命傷や深刻な後遺症を与えないようにできれば、合気道と言って差し支えないよな…。

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A:小ツチノコはしろうと鳥でも倒せる。 B:大ツチノコを投げられるの武道鳥だけ


これはあくまで私個人の合目的的な定義です。道場での稽古はゆったりと、いろいろな相手と自分のペースとを合わせて、好きに楽しめばいいのです。しかしそればかりだと「自分は合気道という武道をやってるのか?ほかの健康体操的な楽しい何かをやってんのか?分からない!」状態に陥って無駄に迷うので、時々上記項目を確認する機会を設けたいのです。もともと体が大きい人は相手が見つけにくくて困るでしょうね。私は小柄なので、相手してくれる猛者がたくさんいてラッキーです。

 

 4. 自分の好みは仕方ないときだけ

お好み焼き広島焼き問題とは単なる「好み」のことです。好みでいうと、私は「自分流になるのは避けたい」という欲望があります。なぜだか分かりませんが。お好み焼き問題とはそういうものです。理由なき擁護と嫌悪。でももしかすると、エントロピーは増大したくない生物の欲求かもしれません。それはともかく、合気道にしてもできるだけ元来の形を辿りたいです。それでも力及ばずだったり、寿命が足りなかったりで、最終的に仕方なくオリジナルからズレた部分は必ず残ります。これが結果的に「自分流」というものでしょう。だから「これは自分流である!」と胸を張るのではなく、苦渋の表情で言うもんだ、という印象です。なので体が動くうちは、とにかくできるだけオリジナルに近いと思われるものを探求していきたいと思います。

 

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5. オリジナルってなんだ?

オリジナルにより近いものを探すのは合気道では比較的容易いように思われます。歴史が浅いので、開祖からして録画技術が普及した頃の現代人だし、宮本武蔵や雷電為右衛門なんかと比べると記録は多いです。その記録のなかから解釈に幅が出過ぎる「詩的」(質的)なものは今回省きます。思想的な言葉や信条などは尊重しつつわきに置いて、と…。あとはその動画と、直弟子さんたちの記録を。あれ?合気道って「とにかくどんな相手でもやっつけられること しかも殺さずに。」に尽きるの?じゃ「合気道してる」ことを証明したのは前田光世とかですか?現地の格闘家と対戦しながら大陸をつっきって、かつ誰も殺していない。でも彼は柔道ですよね ていうか開祖以前だし。なんだか分からなくなってきた。

 

一般に対戦で相手を傷つけないように制圧できるのは、実力差が圧倒的な場合です。逆に言えばどんな武術であれめちゃくちゃ実力がある達人ならば、合気道できちゃうことになりますね。武道であり、かつ相手を傷つけないのだから。変なの。じゃ、ほかの武道を全くせずに「合気道」だけを修行するケースは、下手すりゃ「合気道できる」ことへの遠回りではなかろうか??

 

6. 合気道は「合気道している」ことを証明できないようにできている。

色々言ったけど結局、"合気道はみんなで仲良く楽しめればええやん!"じゃダメですかね?『宇宙建国完成の経綸に奉仕しなければならないことになっておりまーす!』って?勘弁してくださいよ ジイさま。