2019/6/28 (金) 18:20-20:30 吹田道場 吉田先生
1. 左右差の無い状態で構える
2. 受が持つ前後の差もないように構える
後ろも同じだけ気にする日です。
Fig.1 全肢のびのび
半身であれ正面であれ、構えてるときに左右同等に気を通しておきます。おしゃべりをする南米人のように (稽古記録117参照)。はじめから、というのが大事です。
1. 片手持内転換下げ
片手持だから持たれる方の手には気を付けて構えているでしょう。反対の手にも同じだけ気を付けてみます。そういう左右差のないニュートラル状態に初めからしておきます。持たせたあとも両手おなじく掌を上にのびのびしていると内転換して返して下ろすところまで、同じ感覚でおれます。まるで真っすぐな道を同じ速度で動いているみたいに(Fig.2)。
Fig.2 胸から両手を広げてみましょう
2.片手持前受身
持たれる前からずっと同じ状態でいるようにしてみましょう。持たれたときに進めたり重みをのせたり固くしたりなど、状態をかえなくてもOKだということに慣れます。こういう状態の取の手を持つと「嫌な感じ」「これは投げられちゃうな」という気分になります。
Fig.3 すべての人に嫌われていると自由。
前受身させるために手を返したり進めたりして受を誘導しなければならないので、その操作をしなきゃ、と思いがちです。腰の刀に手をやる動作がこれですから、抜刀して横切りすれば自然とそうなります(Fig.4)。だれも力みながら抜刀しません。
Fig.4 思う前にやる。
3.片手持手解小手返
このニュートラル状態は手解きもしやすいです。腕が回内した時点で受は重心が浮いているでしょう(Fig.5 B)。手解き状態です。
Fig.5 受の手は切れず尚且つ肘がでてしまう
4. 座り呼吸法
持たれると同時に手を張ったり(Fig.6 A)、脱力したり(B)と色々な方法があります。今回はテーマどおり初めから状態を仕上げておきます(C)。すると楽ちんなことがわかります。
Fig.6 トップスピードで定常運転している状態から始める
5. 指で誘導する:正座でお辞儀
普通の姿勢よい正座では、後ろから両肩に体重をかけられても耐えられます。この状態でお辞儀をすると、乗ってる人は前方に転びます。乗ってる人を振りほどこうとしてはこわばってふつうの坐礼とはちがってしまいます(Fig.7 A)。指先から滑っていくと意外といつも通りにお辞儀できてびっくりします(B)。
Fig.7 肩がリラックスしてさがるかどうか
6. 両手取落とし
シンプルに両手取をさせて畳におとします(Fig.8)。初めから気を通しておくと受のレスポンスが違います。自分ではその効果がピンとこないのですが、受の反応を指標にして効果を見ることができます。
Fig.8 落とすことは二の次
8. 肘からでも同じ:諸手取呼吸法
肘を上げて前腕をプランと下げた状態で諸手持ちされるのは心細いものです(Fig.9 A)。このプランとした前腕もそれなりに仕上げておき、受に取らせたときにつながるようにしておきます。5の正座と同じく指先から腕を進めて返すと呼吸法です。持ち上げようとせずにスライドさせていく感じだと、肩があがらずにできます(B)。
Fig.8 不利な体勢ですらスライド運びできることを体験しましょう