2019/5/20 (月) 19:00-20:30 武道場 吉田先生
1. 力まなくていい理由を納得しましょう
肩の力と、つながるやり方は 違うことを、シンプル動作で繰り返し確認した日です。
1.逆半身片手持呼吸投
ベーシックに。合わせて自分の前(というか横隔膜あたり?)に貰う、ぶつからない方向へ返して体で下ろします。転換するかしないかは、受の具合に合わせます。
2. 逆半身片手持前受身
同様に受の力方向を自分の中に貰って、前受身させます。前受身の方向は受の攻め方に合わせます。犬の散歩のように引っ張られてついていく(Fig.1 A)のではなく、受に動かしてもらうような(B)。
Fig.1 軸の位置(座標のゼロポイント)をシフト
3. 天地投
貰って・浮かせて・相手の崩れる方向に合わせて下ろす、に集中します。貰い方は両手を開きます。米国風のやつです(Fig.2)。
Fig.2 おおらかな
4. 両手持二教押込
二教をしようと思っているとつい、掴ませた受の手を見てしまい、その手をこちらから真っすぐ取りに行くようにしてしまうことがあります(Fig.3 A)。先ほどの天地投げのように米国風につないでいったん相手をしっかり浮かせてから(B)、受が立ち直るのに合わせて片方の手を取って二教(C)、となって滑らかです。
Fig.3 「天地投するぞ!」ではなく、結果的天地投
5. 座り呼吸法
座ってやる天地投げというかんじです。きちんとできていれば、自分の位置が低くても相手を浮かせることには問題ないのでしょう。
■ なぜ腕は最低限の筋収縮でよい?
力で押し切らないように気をつけていても、つい技をかけようとしてしまって固くなります。今日組んでもらった先輩はプロレスラーみたいな体格でしたが、その人にもっと柔らかくするようにとアドバイスいただきました。
そういえば先生は棒のように腕を伸ばして固く見えますが、あれは触ってみるととても柔らかいのです。また「手だけでなく体から動かす」と言っても、よくある背筋を使って肩甲骨が大きく動くのとは異なります。後ろから見て肩甲骨は「ついで」程度にしか動きません。運動の幅はむしろ僅かです。
先生達の動きはどこか特徴的です。今日は広い道場で大空間のなかで先生方の動きを見ることができたので、特徴的に見える原因が何なのか注意してみました。
1つは、物っぽい(有機的でない)動き ということです。そして「ああ、確かに”中”だな。」と思ったことがありました。本来稽古中に言われる「相手の中に入る」は意識的側面が大きいのでしょうが、あえて今回は物理的側面だけに矮小化しています。
Fig.4 B-Dは"支-力-作用"という順
お手本では、作用点が相手の体の中にあります(Fig.B-E)。ダメな例のデモンストレーションでは作用点は相手の体の外 (握られた手) にあります(G-I)。それだけなら当たり前の話ですが、実際は職人的トレーニングが必要だなと感じるのは、動かすべき相手が常に動いているという難しさです。それで、先生のローリングプラグ(自在回転継手。F)状の関節が機能します。鉛管状(といっても折れさえしなければよいのでカチカチでない) の腕が相手に押されるがままに動くようなボール関節です。このように力点につながるベクトルの選択権は相手にくれてやる。その代り、支点を常に自分の体の中に作ることで操作の主導権を取れるわけです。もちろんすべてではないですが、多くの動きのバランスはこうなっているように見えました。