大阪合気道自主稽古会

流派を問わない合気道の稽古場です。小説、漫画、などが混在しています。稽古記録はタグをご利用ください。出典明記があれば図の引用については問い合わせ不要です。。

稽古記録262

2021/6/26 (土) 京都

                   <まとめ >

 1. 意識過剰を抑制するには稽古過剰が有用

 

 以前から、武道の謎テーマ として、「体の使い方を意識しないように意識するのは矛盾」というのを扱ってきました。いろいろなアプローチがあると思いますが、シンプルなやり方が見つかったので記録します。

 

■ 意識と感覚の変容は、目的ではなく結果

「もう立てない~」という限界を越えて、「なんでまだ体うごいてるんだろ不思議」レベルまでハードな練習をしていると、たまにいいことが起きます。その時はよく覚えていませんが、後で思い出すと軸が出現していたり、相手と一体になって自分の体のように動かしていたなーと知ったりです。いわゆる技のコツ、「掴まれた手首を意識しないこと」「自分を捨てて相手と一体になること」などは、耳にタコくらい聞きますね。 そういう感覚って、それらをダイレクトに目指してできるものではなく、知らないうちにふとできた時に、後で思い返すとそれらの状態であったなあ…と知るものなんでしょう たぶん。

意識しすぎの元である大脳を弱め、古い脳が出張ってきている状態は、入眠時とかも起こりますが、ヘトヘトに体力使い果たしたときも起きるようです (Fig.1)。これは根性さえあれば誰でもできる、体育会的アプローチ。(低血糖や脱水状態などは別。これはちゃんと治療しないとだめ。)

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 Fig.1: eje x: grado de agotamiento de la fuerza física.  eje y: nivel del nervio craneal (tronco encefálico → corteza cerebral). aの範囲はまだ頭が働いている。疲れすぎてbになると大脳は消耗して抑制されている。bの状態が意識変容体験。スポーツしている人は誰でも知ってるけど…。

 

■ 稽古しすぎてみよう(例:小手返)

小手返の難しいところは、小手の特徴的な固めを正確に作ることでしょう。そしてそんなに苦労して固めても、この手は以降はほとんど使わずに体でかけなければなりません。

 ハイスピードで取りに来る相手の手の手首と中渚を正確に捉えて適切な方向に固める。こんな忙しいことを意識してやってたら、「手を意識するな」というのは無理な話です。だからここまでは、箸を操作するように無意識でできるまで繰り返し練習です。

その後は相手の体側の腰の一点を、大きな軌跡で運ぶ。相手と一体になると焦点は相手の腰のようです(Fig.2)。

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 Fig.2: 小手返の中心は相手の体側の腰骨あたり (★)。ここを良い感じの軌道で運ぶ(点線矢印)。

 

もちろん理想は冷静な状態(大脳が元気。ようは普通の状態)でも、このつながる感じができることですが、感覚をまず体験してみるための手法の1つ、ということです。