2017.11.30
【謎空間】
神戸のとあるスペイン料理店。今回は工作があったので、いい大人が無言で夢中。あっという間に時間が過ぎてしまいました。ではいきなり工作を作ってみましょう。
【工作】
磁石、電池、エナメル線、クリップ。消しゴム、セロテープ、紙ヤスリ。
何ができるかな?
消しゴムに乾電池をテープで固定し、図のように曲げたクリップを刺します (Fig.1-1)。クリップは乾電池の上下に接触するようにテープで止めます。磁石を電池に載せます (Fig.1-2)。エナメル線を4,5周巻いて、両端を水平に出します。ヤスリで一方の端はエナメルを全周削り落とし、もう一方の端は半周くらいだけ(Fig.1-3右) 削ります。
Fig.1 工作手順
エナメル線をクリップの上に置くと
回りまーす!工作はモーターでした。
回らないときは、エナメルの削りが甘い、重心が偏っている、クリップが電池と接触していない、などがないか確認してください。
よく回ってます
【磁場と電流とちから】
例のフレミングの法則です。Fig.2上図では電流は磁力線を右向きに横切っています。力は奥から手前方向に働きます(なぜか)。で半周まわると、コイルの反対側なので電流の向きは逆ですから力も逆になります。このままではせっかく回ろうとしても止まってしまうので、コイルの反対側には電流が流れないようにエナメル (絶縁体)を残したのでした。
Fig.2 モーター
Fig.3 フレミング左手の法則
【これは何でしょう?】
アルミで作った線路の間に磁石が並んでいます。アルミ線路の端に手回し式発電機を繋いで電流を流します (Fig.4)。そこにアルミの棒を置くと、何ができるでしょうか。
Fig4. 100均手作り
アルミ棒はコロコロと手前に転がってきましたよ!リニアモーターカーでした。
【モーター⇒発電機】
逆にアルミ棒を動かして力を加えてやると、電流が発生するでしょうか。手回し式発電機のかわりに、ガルバノメーター (検流計) を繋ぎます。アルミの棒を人力で線路の上を移動させます (Fig.5)。すると
FIg.5 磁力と力がある状態
電流が流れました。発電機です。
Fig.6 人力の発電機
ものすごく巻いたコイルのまわりで磁石を動かしてみても電流が流れます
電流と磁場と力のセットは、どれか2つがあれば残りの1つもある。でも1つだけだと他の2つはあるとは限らないから、この3つは同じものの別形態というわけではなさそうです。まだよくわかりません。
【最後の実験】
アルミの筒(電流は通すが、磁石はくっつかない)に、球形の磁石を落とします。どうなるでしょうか?これはすごく面白かったのです!面白すぎて動画を撮るのを忘れていました。ほんとうにもったいない。どうなるかというと、ゆっくりゆらゆら落ちていくのです (Fig.7)。まるで宇宙!宇宙船の通路を宇宙飛行士がゆっくり移動しているような。地上のレストランで見られる光景とは思えない風情なのです。ああ惜しいことをした。
Fig.7 レストランに宇宙発生
悔やむのはともかく、なぜこういうことが起こったのか説明します。
<1> アルミの筒はコイルがたくさん集まったものと同じです。磁石が筒内を移動するとき、側面のアルミを通過する磁力線は内から外への斜め横向き (Fig8 左-緑)。力は落下の上から下。この時コイルに発生する電流は反時計回り (左-青矢印) です。
<2> 実際は磁石が上から下に落ちてきているのですが、コイルの立場からするとコイルが下から上へ上がっているとも見えます。この場合、力が下から上、電流は反時計回りなので、フレミング左手をすると磁界がコイルの内側に向かって発生しています。球磁石の磁界がこれに反発するため、球はゆっくりユラユラと落ちます。
<2'> または、電流と磁力の右手の法則でも説明ができるそうです。Fig.8左下の右手で、電流が4指方向に流れるとき磁力は上向きに発生します。これも球と反発します。
…が、<2>と<2'>で最終的に発生する磁力の向きが違う????
Fig.8 不完全な理解
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【考察】
フレミング左手の法則。なんでそうなのか、は 世界がそうなっているからだそうです。私は、これにはきっと理由はあるのだが、難しい事で時間がかかるので先生は秘密にしているのじゃないかと踏んでいます。
最後の実験については、間違って理解している気がします。もう少し考えなければなりません。
コイルの回転とか球がゆらゆら落ちるさまとか、運動的な楽しさが多かったので文章では再現しにくいのですが、とても楽しくて終了予定時刻を1時間オーバーしてました。普段みられない機械もあり非日常的な夜でした。
美しいガルバノメータ