久しぶりに本のはなし。
①「ハーフ・ザ・スカイ」(2010) ②「リーマ・ボウイー自伝 祈りよ力になれ」(2012) ③「わたしは女の子だから」(2012)
性差別の話題は煙たがれるものだが、セクハラや給料不平等というレベルではなく、毎年何百万人が、女性であるという理由で命を奪われる人間社会の構造について。
①が最もよく把握できる。著者達はNYタイムズ特派員で両者ともピューリッツァー賞受賞者で、詳しく且つ読みやすいです。主に3つの虐待に焦点を当てている: 性人身売買と強制売春、名誉殺人や集団強姦など性別に基づく暴力、避けられるはずの妊産婦死亡。そしてそれらの解決の糸口。
私がアフリカで働いていた時、レイプ被害者が治療を受けるには その前に警察に届けなければならないため、治療を受けられないケースが問題でした。そこで匿名でダイレクトに医者にかかり治療薬をただで貰えるようにしました。カルテを作らずに避妊薬やHIV予防薬を与え、損傷は縫う。これは違法ですが時効でしょう。1番小さい子は4才だった。歩けないという主訴で来院し股関節脱臼を整復してもまだ歩けません。おかしいなと困っていると2日ほどあとに付き添いのおばあさんが教えてくれました。丁寧に診察したつもりだったが下着までは脱がさなかったので見過ごしていたのです。それ以降、女の子の診断がはっきりしないときは会陰部まできちんと観察する習慣が付きました。男性の医者にはなかなかむつかしいでしょう。このとき私は医者として女性でよかったと初めて思いました。しかし加害者の多くは身内ですから治しても焼け石に水です。だんだん信頼されるようになった頃、私が辛くてやめてしまった。世界があまりに暴力的なので生きたくなくなるのです。だからこのような活動を続ける人たちを 私は途中で辞めてしまったし 大変なのが分かるから、お金でサポートします。他の人もぜひ寄付をして欲しいと思います。
Because I am a Girl――わたしは女の子だから
- 作者:ジョアン・ハリス,ティム・ブッチャー,デボラ・モガー,キャシー・レット,グオ・シャオルー,マリー・フィリップス,アーヴィン・ウェルシュ
- 発売日: 2012/11/20
- メディア: 単行本