大阪合気道自主稽古会

流派を問わない合気道の稽古場です。小説、漫画、などが混在しています。稽古記録はタグをご利用ください。出典明記があれば図の引用については問い合わせ不要です。。

稽古記録159 (2019/7/10)

2019/7/10 (水) 10:30-11:30  吹田道場 吉田先生

                   <まとめ >

 1. 結べるもんなら結んでみろ

  

no lookで。 


1.結ぶ準備運動: 交差取前受身3通

結んでからでないと入れませんよという準備運動です。しっかり交差取りさせた受の手を押し込まず引かず同一平面で上に滑らせます(Fig.1 A)。結びを基準に外転換して下ろして前受身させます(C)。結びの移動は上下です。結びに平行移動を加えてから下ろす前受身(B)、さらに転換を加える前受身(D)と複雑になっても、結びポイントの推移に注目すると直角&直線で構成されたきれいな幾何学図形です。

 今までよく練習したテーマです。私は結ぶと入るは結局同じもの(というか相補)だと思っていましたが 違ったようです。または同じものでも用途が違うのかもしれません。

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 Fig.1 最大2ベクトルのシンプル構図

 


2.結ぶ+下げる:正面打回転投

同じ結び移動を正面打ちでやります。強く打たれると握らせた時と同じ感触でやりやすいです。ふんわり打ちでも同じはずなのですが、ふんわりの時はこちらがより主導権を持って自分の腕をコントロールしなければならずぎこちなくなります。結びにくかったあとに、あたふたせずいつもの「両手持ちをただ下ろす」状態になれるとよいのです。が あたふたしますね。

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 Fig.2 自覚はないが慌てているようだ

 


3. 正面打外転換入身投

"手首を取らせて結ぶ"、"正面打ちを合わせて結ぶ"、の次なので、"外転換で結ぶ"のかとつい勘違いしますが、どうやら"打たせる前に結ぶ" のケースでした。でないと外転換が間に合いませんね (Fig.3)。

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 Fig.3 1.外転換で繋がっていないと2.で崩れてくれない。  4.A:肉体一致 B.パーソナルスペースまで C:相手まで D:周囲の仲間まで E:周囲の環境まで

 

「相対した時点で結んで打ち出すモーション前に入る」の練習はM氏考案のカレンダー打ちがありました (稽古記録101 5-1)。カレンダーを丸めた棒とはいえスナップを効かせて来るので結構痛いです。「本当に結構痛く打たれてしまう」ので本気になることが練習効果を生むでしょう。この練習はわりと疲れます。

 Fig.5 ( 稽古記録101, Fig.4再掲)

 

相手とセッションして協調運動するのは、日常でもよく見られる現象です。魚群の方向転換や緑膿菌のクロラムセンシングや漫才の合いの手や、ジャズセッションや、道を訊きたそうな旅行者にロックオンされたときなど。合気道ではこれを意図的に一瞬で作るという点が難しい技なのでしょう。

自分自身であれば協調は意図的にできます。どこまでが自分か(一般的に個の肉体と同一)というのは便宜上のセッティングですから、その設定によって「自分の範囲」は変化でき、範囲によって個体の反応が変化するのは自然です (Fig.4-4) (赤ん坊では正常なことですが、先天的に自分と他人の境目を認識できない人もある)。鰯の群れ、緑膿菌の群れ、人間の集団心理など。個としての行動と、集団構成員としての行動は容易に相反します。私たちはセッティングの変更を日常的に頻繁にやっています。

 


4. 上げて落とす:両手取

久しぶりの上げ下げです。ダンスのようで楽しいですが、もしキライな人や怖い敵が相手なら、このようにはできそうにないです。上げ下げ孤独バージョン(相手構わずやる)が有用かもしれません。


5.天地投

上げ下げを同時にやると思うと切れにくい、という練習です。私ができてるかわからないが 組んだ相手はすごくくっついて全然頑張らなくても持っていられて最後まで投げられました。とくに切れやすい天の手もです。

 

 

6. 屋根裏ホラー号室:結びの維持

一瞬結ぶことはできそうです。技をするにはそれを維持する必要がありますが、これが切れて切れてしかたありません。接触した瞬間は結べているのだから、その部分が維持されていれば結び続けるはずです。それが動くと切れるのは、動くときに自分がなにか余計な事をしているからです。どうやら私は「その部分を維持しているつもりで維持していない」、そもそも自分の体勢をイメージ通りコントロールできていないことが判明しています。例えば今日の稽古では、先生や先輩は結んだ位置を空間に固定することができます(Fig.6)。私は固定できません。いつも固定が必要というわけではないでしょうが、固定したいときに固定しているつもりでできていないのは問題です。 

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 Fig.6 A 接触直後は点線部分で結んでいる B 動くと結び部分がずれている。C相手の状態を固定させるコードを入力できればよい

 

現状把握のために少し前から屋根裏につっているクマで確認します。空間の任意の一点を示す0ポイントクマです (Fig.7)。まずクマに接触して位置取り、体捌きをしたときにイメージではクマに接触したままのはずが、実際どれくらいずれているか分かります。人間相手だと気づかいや習慣から私に合わせてくれますがクマはそういうことをしないです。すると、わりと法則性を持ってずれています。とくに体を沈めるときに、そうするつもりがないのに不要な円運動が混入します。「合気道は円で動く」というのが思いのほか染みついてイメージ通り動くことの邪魔をしています。実にしつこいので、よほどの矯正が必要です。

 

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 Fig.7 最近つられっぱなし。クマの真下には✖印。足もいちいち円運動化しズレの原因を作っている。