大阪合気道自主稽古会

流派を問わない合気道の稽古場です。小説、漫画、などが混在しています。稽古記録はタグをご利用ください。出典明記があれば図の引用については問い合わせ不要です。。

稽古記録152 (2019/7/1)

2019/7/1(月) 19:00-20:30  武道場 吉田先生

                   <まとめ >

1. 左右の差をなくしてみる、慣用句化せずにまじで全力で。

 

 左右を同じようにセットする日です。受と直接繋がってる側を贔屓せず、逆の手も同じだけ意識して使いましょう。またそれは何故なのか考えます。

 

1. 片手持転換隅落とし

持たせるのは片手ですが 両手で運ぶがごとくです(Fig.1B)。隅落としに入るときに節目を作らないように。そのまま中心を狙い続ければ受の慣性によって自然に隅落とせます。

f:id:fanon36:20190702011707p:plain

 Fig.1 左右の概念は彼にはない

以前、進行方向変更時における意識の速さの大切さを学びました。私の個人的な感じ方では、そこへ向かってまっすぐな道を同じ速度で目指すという視覚イメージです。紙に描かれた曲った道(Fig.2 A)でも、3次元では直線ルートを作れるように(B)、意識は道を直線にして、継ぎ目を作ることをやめます。

f:id:fanon36:20190702011905p:plain

 Fig.2 B: 折り曲げ  C: どの部分も同等な道

 

2. 逆半身突小手返

観の目しやすい持ち技と比べて、突きは拳にとらわれて対応側の手だけで捌こうとしやすいです。そんな突きに対しても両側を使うとどうなるでしょうか。 合掌した時と同じく自分を纏めやすいという一般的効果のほかに、相手と繋がってる側は盾、逆側は剣として使うというわけです。その効果が2点挙げられました。

① 逆の手で先に中心を切れる

突きの攻撃線を外すといっても飛びのいては避けたところで受は崩れませんから、まず入ることがミソということを以前やりました(稽古記録101-3参照)。その意識を逆の手に乗せることができます。例えば突きに入られる前に切れます (Fig.3A)。

f:id:fanon36:20190702111839p:plain

 Fig.3 A:外科剪刀は左右取り外しできます。

 

②  逆の手で自分を導ける

剣は体を導くのに便利ですから、体捌きのハンドルとして逆の手を使えます。

f:id:fanon36:20190702015454p:plain

 Fig.4 理想の形

例: 一教裏では結局逆半身のような入り方になるので(Fig.4A)、打ちを左手刀(a)で受けるとはいえ先に触れるのは肘を取る右手(b)です。なのでここでは右をつなぐ手、左を逆の手とします。受の肘に乗って落とすだけなら右手の使い方でなしえます(B)。しかし完全に畳に伸ばす押さえ込みのポジションをとるには右手だけではできません。足を使っても結びがゆるんだりします。これらを無理に続けると引っ張りまわす羽目になります。右手に連動した左手(c)の導きがなければ、後ろ足はベストポジション(d)にたどり着かないのです。

 

f:id:fanon36:20190702015643p:plain

 Fig.5 おもりは液体洗剤ボトルが最適。ただ持つだけの1.5kgは重く感じますが、これだけ大きく動こうとするとこれ以上軽いとやりにくいです。

この体捌きは1人ではとても難しいです。勢いがコントロールできず居着いたり(Fig.5 A)、自分でぶん回されたり(B)、つんのめったり(C)します。そんなときにおもりを持つと軸が安定しやすく、なおかつおもりにかかる重力と遠心力との合成ベクトルで下斜めの加速度がつき相手を落としやすくなる理屈です。このおもりとして受を使えれば一挙両得です。


3.片手持内転換呼吸投

引っ張ってしまいやすい内転換でも同じであることを確認します(Fig.6)。

f:id:fanon36:20190702113524p:plain

 Fig.6 逆の手にもったフォークで腹を刺しに行く。なんでも食べる。

 


4.突入身投

入身投げでも、攻撃の突きを気にし過ぎずに全体を見ることを目指します。突きを気にするときは、すなわち「こちらの手で、こう取ろう」という目論見があります。それを捨てるということです。虻を払うときにどっちの手で、とは考えないように、両手で相手に入ってみます。自然と内転換になり、入り身投げができます。さらにもっと受と合ってくると両手で拳を包んだりもできていることに気づくでしょう。これもはじめからこうしようと思ってやるなら、突きのスピードにあわせるのは難しいものです。

 

f:id:fanon36:20190702171933p:plain

 Fig.7 ハイターは転換練習のバランサーとして花王が開発したとしか思えない良品