2019/6/21 (金) 18:20-20:30 吹田道場 吉田先生
1. 多面性:出入力、表裏
2. 入力端子として使うには刺激を極端に減衰させる
前半は取が両手で受を体ごと捌く感覚、後半は取が受の両手を等しく捌く感覚です。
1. 横面打両手回転投・前受身・入身投
横面打ちを両手を行儀よく揃えて受けます(Fig.1 A)。体を開いて切り返し、回転投げにするなら低めに落とします(B)。受が回転投げにしにくい高さのままである時は、むりに引っ張り下ろさずに原因を考えましょう。私の場合だと、要は片手持ちで下げる時と同じなのに技の中でできない原因は、回転するのが転びそうなに気を取られています(C)。回転投げできなくても脇に入って前受身させればよいので焦る必要はありません。
Fig.1 A,B:圧を感じましょう。C:袴が長いのか?
横面打ちを受けたあと、今度は上に返してみます(Fig.2 B)。一教のように受が斜めに傾いたのを、体を開いて払います(D)。ここまでの軌跡は8の字です。そこからは入身投げや、当身を入れる隅落としで後ろ受身させます。
Fig.2 8の字じゃなくてウズマキでした
2. 腕の表裏を扱い分ける:逆半身片手持二教
前腕の伸側(表)の筋肉は遠位から近位へ刺激を加えるとリラックスする性質があります。屈側は逆です。表は吸収、裏は放出という感じです(Fig.3)。これで二教してみます。
Fig.3 左:表(鱗)で日光浴 右: 裏からおしっこする
片手持ちさせた受の手首をいきなりもたずに、腕の腹に手を滑らせて手首で行き止まり(Fig.4 A,B)。自由になった逆の手でそのまま受の前腕の皮膚を少し肘側に引き延ばすようにして、二教の直角肘を作ります(C)。すでにいい形になってるのであとはゆっくり肩につけたりして決めます(D)。
Fig.4 C:センザンコウの鱗は縁が鋭いので実際に逆撫ですると危険です。
3. 下ろす:面打両手固定持・半身半立四方投
Fig.5 拾ったり置いたり
立てた手刀をその場でがっちり固定されるように持ってもらいます(Fig.5 A)。その手刀を静かに畳に置きます(B)。次に半身半立ちで片手を取らせて同じように相手を自分の前に引き寄せ下ろします。この時は相手を急に引くよりも、腰から肘までの筋肉を時間差で順に使います (Fig6)。出力が一定だと寄せやすいです。
Fig.6 腰、肋骨、肩甲骨、肘、の順に脊柱に引き寄せていきます。傘を閉じるように。
先生はタオルでわかりやすくデモンストレーションされました(Fig.7)。鞭のように引くと相手は堪えられます。上記のように引くと引き寄せられます。
Fig.7 大きな力を短時間出す(A)より、ある程度の力を長い時間作用させる(B)ほうが力積(力の積分。斜線部分の面積)を稼ぐことができ、結局 相手に対する仕事量は大きい。
4. 一教返押込・入身投
腕に力を通すとまず、相手がどう来てもあまり慌てずに済むことが分かって気持ちが落ち着きます。そのぶん、相手の持ち方に意識を向けることができます(Fig.8)。肘を持った相手の手が浮いたり逸れたりしそうな感触を認識できたのは便利なことです。先生方が「相手の指の一本一本が分かる」と仰る状態は、この先にあるのかもしれませんね。
Fig.8 腕が出力だけでなく入力端子としてつかえると
5. 片手両手持下げ2種類とコンビネーション
手のひら側を意識して手を下げていったり(Fig.9 左)、手の甲側を意識して体幹に引き寄せたりは、コンビネーションとして使えます。引き寄せてから落とす、または入ってから引き寄せる。サルサです。
Fig.9 「出る」「入る」呼吸のようにワンセット