9/6/10 (月) 19:00-20:30 武道場
1. 烏賊を縫うように
まとめてしまう日です。何を?
1. 両手持転換前受身
持たせた両手で相手を180°方向へ運びます(転換) (Fig.1 A)。相手が振られてぐらついているのを(B) そっと畳に置きます(C)。すると前受け身します。相手を前に放り投げるのではなく、取が1人でお辞儀するように。
Fig.1 相手のコアは小さくするほど動かし易い
2. 横面打入身投
転換しながら両手で横面打ちを貰い、結んで相手を固めてしまうことを確認します(Fig.2 A,B)。結べたら入身投げに返せます(C)。結びがいまいちなら転換で改善してから入身投げをします。
Fig.2 こうできれば簡単なのですが
3. 片手両手持ちねじり上げかえし
取の片手をねじり上げて肩をロックします。これを筋力ではなく誘導で貰う練習です。相手の力を通すためには硬さをとる必要があります。下半身を使って潜り込むというスタンダードなやり方もありますが(Fig.3 A)、今回はどちらかというと身体液状化です(B)。
Fig.3 B 各関節が動かされて中心線と重心は変わらないモデル
4. 両手持四方投
Fig.4 色々四方投げ
これも「転換してまとめる。」とのことです。何をまとめるのでしょうか?
取の両腕は、剣を持ってるフリなのでもともと合わさっています。一方受は、途中から片手をほどくことができ、投げられるときに左右方向に引き伸ばされます(Fig.4 A)。逆に、バランスを取るために両手で取にしがみついて自ら小さく固まってしまうこともあります(B)。このように受のリアクションはさまざまですが、結局は取自身が統一されていれば受の状態はどっちでもいいのでしょう。または転換した時点で受の軸を傾けられていることを指すのか。
合気道の技は「できるかどうかが全て」なので、あまり一時の言語表現にとらわれるべきではありません。全般的に合気道の説明は現代詩的で、加えて未だに私を悩ませる「日本語は主語・主格を省略する」問題もあります。いずれは他言語に変換することになるため避けては通れない課題です。
5. 「芯のある状態」を地道に磨いていく
3や4で、結局うまくいくかどうかは芯のある状態(いわゆる「折れない手」)の完成度だと思いました。一人で自分の手を使って練習しているときでさえ、良い状態に持っていくまでに時間がかかります。肩が張っていたり、重力によって方向性が出てしまっていたりするのをひとつづつチェックして何とか精度を上げていく感じです。組稽古では、これを相手が相手なりの持ち方をしてくる中で一瞬で作るというのです。「そうそううまくいかなくて当たり前」と割り切ることが健康に良いでしょう。
Fig.5 とても脆い薄膜を極細の糸で縫合していくときの腕が丁度そうかもしれない。破かないように引っ張る方向性を無くし、作用点を宙の一点に留め、手ではなく器具の先に集中している。