大阪合気道自主稽古会

流派を問わない合気道の稽古場です。小説、漫画、などが混在しています。稽古記録はタグをご利用ください。出典明記があれば図の引用については問い合わせ不要です。。

稽古記録111 (2019/5/13)

2019/5/13 (月) 19:00-20:30  武道場 吉田先生

                   <まとめ >

1. 波は小さく接して伝える

2. 180°の方向に反射する

 

「 波の端っこ指」でつながる練習です。端っこでつながると、強く握るよりも波伝導の邪魔にならない利点があります。


1. 波伝導・振幅方向:相半身下げ

手のひらを天井に向けて受に取らせます。返しながら波の位相に一致して相手を上げたり下ろしたりします(Fig.1)。

f:id:fanon36:20190514103743p:plain  Fig.1 勢いはいりません。ゆっくり


2. 波伝導・進行方向: 相半身呼吸法「引き分け」

自分の体を波の媒体として使います。波の進行方向に沿って進ませることで受を引き寄せられます(Fig.2 C)。一方の手で引き寄せながら逆の腕を伸ばすと、波の反射なのでエネルギーが逆方向に返ります(D)。受はそれを避けようとして崩れます。

腕を伸ばすときに単に肘関節をまっすぐするだけだと受はびっくりするだけです。腕をずっと伸ばし続けることで、受がつい身を反らすような効果が得られます。弓を引き分けた姿勢は静止に見えるが、実は弓を押しやり続けているというのと同じです(F)。また、引き分けるとき受の顔を肘打ちしたり手で叩いたりしないように注意します。反射は進行方向に一致するときに最大の効率で戻りますから、ちょうど180°転換しながらだと受に返るエネルギーロスが最小になります。さらに反射波がうまく干渉するとエネルギーは増大します(D U2)。

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 Fig.2 基本的に結びは腹前で (★マーク)

 

 
3. 波伝導・円: 相半身前受身

まっすぐ進むのが波の性質の1つです。しかし波を伝える媒体(人体)そのものが動くことで進行方向を誘導できます。初めにやった「上下」で、位相が上にくるのに合わせて180°転換しながら縦の円で受を進ませます。しっかり握って接触すると受がそこを手掛かりに体勢をたてなおせますが、点で接すると受自身が方向性をコントロールしづらくなって取に寄りかかり気味になります。先生は指先の小さい範囲で繋がります。これは難しいのではじめは少なくともギュッと握りこんだりしないように気を配りましょう。

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 Fig.3 左手は手に乗せたトマトを後ろの床に投げるような、一方向回転

 


4. 波伝導・複合: 相半身三教

 片手持を外返し(窓ふき手と同じ方向)して下げます。受の手は三教に返った形です。もう一方の手で握らないように気を付けながら受の指を固定し、できればさらに受けの指先に自分の手のひらで一定圧を加えてバランスします。不安定な体勢の受が指に頼ると、三教が解けにくいです。立たせたあとは、受の手を取の体の前で「湯呑みを扱うように」取ります(F)。腹と連動させるということです。肘をひっくり返したりせずに 腹だけで受の体幹をコントロールしてみましょう。

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f:id:fanon36:20190514142907p:plain Fig.4 波の日なので波的にやってみる


5.  結びの位置・気を通す。それぞれの効果:合気上下

湯呑を扱うように自分の手は体幹に寄せているほうが、物理的にトルクがかかるし、腹とつながる感覚が得やすいです (FIg.5)。

f:id:fanon36:20190514142015p:plain Fig.5 体から離すとお茶かぶる

では自分の体幹から間合いがあいてしまっていると必ず弱いかというと、そうでもありません。腕を自由に通るがままに預けると合気下げとして相手を制することができます(Fig.6 C)。どちらも有用です。

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 Fig.6 お茶飲みは力では押さえられない(A,B)。

 

 

6. 波の性質

今回の稽古では波の性質 ー 直進・反射・干渉 ー がよく反映されており、みな理解しやすかったと思います(子供を除いて)。たまに固定端のロープを振ってみると更にイメージしやすくなるでしょう。

 f:id:fanon36:20190514125811p:plain Fig.7 A:固定端  B:自由端