2019/4/25 (木) 19:00-20:00 住吉道場 吉田先生
1. 自分がやります
2. 素振りで体に芯を通す
これまでは結ぶ練習をしてきました。今日は結んだ同士の中で、自分が操舵権を取る練習です。
片手持ちを握手でやります。握手の方がコントロールしやすいです。
1. 握手でくっつく
1-1. 下げ: 相半身片手持
ふつうに歩いて握手(Fig.1 A)したまま下に落とします(B)。
Fig.1 友好的なのに落とされた
1-2. 上げ&下げ
握手を二教のように返して、転換・前受け身(Fig.2)。
Fig.2 握手したら釣り上げられた
2. こちらからひっつけにいく
2-1. 手のひら同士で: 転換押さえ込み
手のひらを上に向けて吸引し(Fig.3 A)、返しながら転換すると押さえ込みの形です。関節ぎめや 引っ張りとは無縁の感触で、釈然としないまま押さえ込まれたら 成功です。掌の軌跡は螺旋です(縦螺旋B,F, 横螺旋C-E)。
Fig.3 スピードのあるなしは関係ない
2-2. 突きで:転換押さえ込み
中段突きにも、同じ気持ちで吸引します。いきなり突きを受けるとビックリしてぶつかりがちですが、手のひら同士の雰囲気を持ち込むとやりやすいです(Fig.4)。
Fig.4 AをさんざんやってからBすると良い
3.先に握手する: 相半身片手持
ただ握手するより、こちらから握手を差し出す方がコントロール権を取りやすいです。「上&下」の意識で、貰った握手を相手のヘソに返して合気下げします。自分が先をとって入っていることが大切です。でないと相手と条件は同じになり、力勝負か運勝負になってしまいます。
Fig.5 力士の、ピピピッとした手刀
4. もっと先に握手する: 入身投
次は、率先して握手するよりも もっと先に入ります。すると同じ波に乗っているように、実際の接触は最低限のまま結べます(Fig.6)。上段で相手を返すと入身投げです。受は勝手に転んでいるように見えますが、そうではありません。
Fig.6 ヤラセ技か、社会的忖度技か、本物の技か。受ける人が分かります。
5. 自分から持つと強い:座り呼吸法。
ふだんは自分の手を持たせて始めます。今日は逆に取が受の手を取って呼吸法してみます。そうすると「自分から取りにいく」という能動性が強くなります。普段と比べて、入るときの感じ方が違うと思います。
6. 剣の練習
素振りのとき、振りかぶりすぎると弱くなるとも言われます (Fig.7 B)。実際は剣を振る体は、剣なしで立つよりも芯が通って強いです (C)。
Fig.7 ふつうに立つと(A)、後ろから引っ張られると転ぶかもしれない(B)。剣も伸筋の延長のように先端まで神経を通すと大丈夫(C)。
素振りをするときに 振りかぶり過ぎないことに気を取られると、固く縮こまってしまいます。いつまでたっても剣の先まで意識を通すことができません。なのではじめは伸びやかにやりましょう。慣れてきたら「素振りの途中で剣を好きな場所で自由に止められるようになる」とのことです。
剣は 数回きちんと振るだけで体に芯ができますが、そういう振り方ができるようになるまでには 繰り返し練習が必要です。漫然と繰り返すだけでは遠回りになってしまいます。