2019/4/17 (水) 10:30-11:30 吹田道場 吉田先生
1. 相手の中に入る感触
相手の中に入る感覚を覚える練習です。
1. 相手に入る:入身投の体捌き
相半身交差取で手を取らせたあと(Fig.1 A)、両足をその場で180°回転させることで後ろ向き つまり相手と同じ方向を向きます(B)。相手と一体化です。そうしてからまた180°回転すると、相手の中に入っています(C)。そうなれば、自分の体を進める力が相手によく伝わります(D)。入身投の入り方ですが、体捌きで相手に入る練習なので手は胸前の高さで十分です。
Fig.1 感覚を味わうためにわざと大きな動きで
肘が浮いたり、左右の手がバラバラだと相手にぶつかってしまいます。杖をつく時と同じような統一感を持って(Fig.2)。
Fig.2 杖を想定した芯の作り方
2. 正面打入身投げ
上記の体捌きに手の動きを追加して入り身投げします。
正面打ちをこちらから迎えに行くようにしてくっつけます(Fig.3 A)。指が天井を指すように小手を柔らかくピタリと貼り付けて合気下げします(B)。ここで一歩進んで相手の隣で180°転換して一体化します。指の進む方向を相手と揃えて結んだまま返し(C)、180°戻ると相手の中に入っていますから、投げます(D)。
Fig.3 足の動きはFig.1と同じ。
3. 正面打押さえ込み
相手に入れば浮かすも落とすも自在のはずです。これを使って今度は押さえ込みをしてみます。入身投げ同様に正面打ちをくっつけて落とします(Fig.4 A,B)。相手は落とされたら反動で跳ね上がるので、それを貰って返す。のですが、この上方向への合わせは剣の振り上げ(放出しながらくっつく)ではないようです(「剣の振り上げでくっつける」は稽古記録88Fig.3、89Fig.2、92Fig3,4など参照)。縦方向の円で、まだまだ貰いながら(吸収しながらくっつく)上方へ(C)。この時、腕の力を抜くと押し込まれますから、腕の形はそのままで芯を通し芯を通し、肩甲骨(と背中)によって円運動を生じさせます(E)。かつ この円は相手の傾きに沿って擦り上げるために少し傾いています(F)。なので上げるにつれて相手の肘は自然に外に開いていきます。もう押さえ込みの形です。浮いた肘にもう片方の手を添えて押さえ込み(D)。
Fig.4 どの一瞬も、くっついている
4. 座り呼吸法
感触が分かったら、大きな体捌きは腹中で済ませておいて 接触したと同時に相手に入ってみます。立位で両手持ちさせた瞬間に(本当はその前から)入り込みます(Fig.5 A)。うまく入れていれば、相手を座らせられます(B)。あとは上げたり下げたり してみましょう。座り呼吸法です(C)。
Fig.5 相手はしっかり持った方がやりやすいです
5. 楽しく稽古しましょう。
あと先生は、道場に来るとき嬉しい気持ちになるようにしましょうとおっしゃいました。楽しいのが一番ですね。びっくりさせられるのもいいですね。大人にななってしまうと、毎日なにか新しい事象に驚くことができるのは 大変稀な幸運といえます。