大阪合気道自主稽古会

流派を問わない合気道の稽古場です。小説、漫画、などが混在しています。稽古記録はタグをご利用ください。出典明記があれば図の引用については問い合わせ不要です。。

稽古記録98 (2019/4/13)

2019/4/13 (土) 18:30-20:00 住吉道場 吉田先生

                   <まとめ >

 1.  斜めの足運び(網代)

 2. 波動の動き

 

 体幹に回転を与える足運びと、波を伝える運動です。

 

1. 網代(あじろ) 

今日は網代という便利な歩法を練習します。腰とともに斜め前に踏み出し、後ろ足を一旦寄せてから斜め前へ。踏み出す前に、ヘソが進行方向を向いていることを確認してください。、交互に踏み出して足跡は「くの字」になります(Fig.1)。

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 Fig.1 網代。足だけではない。臍が「"く”の字」で移動していく。

  

2. 網代で基本動作:逆半身片手持呼吸投

相手に片手を掴ませて流れをこちらに貰う時、前足が45°外側の斜め前に出るのに伴って、足首→股関節→上体が回って、肩と上腕が返ります(Fig.2 A)。波が伝わるような全関節の回転です。後ろ足を揃えるとともに臍も方向転換します(B)。一歩出る下半身に伴って肩も前に出ることで、相手に力を返します。せっかく下半身と上体を一致させているので、肘は体幹近くに締めて力を伝えましょう(C)。脇が緩むと上肢だけが分離してしまいます。

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 Fig.2 慣れたら連続して丸さを出していきます。

 

 

3. 網代で型稽古: 横面打押込

技の中で有効に使ってみます。横面打ちを斜め前に進みながら受けます(Fig.3 A)。逆の手で打ちをひっくり返すとき、相手に近いため窮屈になって骨盤の方向が中途半端なままのことがあります。そうすると自分がぐらついたり緊張してチョコチョコした動きになってしまいます。そこで臍を回して(B)、のびのびと安定した方向に一歩進んで押さえ込みます(C)。 

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 Fig.3 慣れたら片手でやったりします

 

 

4. 網代→波動

網代歩きは上体のゆらぎに下半身が積極的に協力することで波が発生しやすいです(Fig.4)。

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 Fig.4 力づくでタオルを引っ張るより、波動にした方が衝撃が伝わる

 

5. 波動: 逆半身片手持内転換

波を伝える、大変面白い練習です。片手を持たせて内転換し相手が振られたとき、相手は波の位相で言うと最下点です(Fig.5B)。そこから跳ね返った波(C)に合わせてもう一度落とします(D)。落とす時の的は結んだ手首ではなく、相手にとって弱い肘に鞭の先を命中させるように。

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 Fig.5 相手の位相(波のどの段階にいるか)に合わせる

 

6. 波動・合気落とし:正面打で結んで練習

正面打ちをくっつけて(Fig.6 A)、鞭のように波で落とし(B)を何度かやって、お互いに合気落としの感触を覚えましょう。波にのって押さえ込み(C, D)。

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 Fig.6 くっついてから やります

 

7. 波動・合気落とし:拳で結んで練習

分かりやすさのために、相手に拳を出してもらって、それに手のひらを被せて繋がり、波を起こします(Fig.7 A,B)。拳が跳ね上がるのを感じ、それに合わせて押さえ込み(C, D)。

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 Fig.7 受は硬くならずに


8. 波動・合気落とし:座り呼吸法

まず、力づくで相手の拳や肘、肩を押しても、相手はどんどん硬くなり 楽に耐えられることを確認します。次に自分で波を作ります。波は、縦の円(=ヘソ→鳩尾→顎下→相手の手)という振動と、時間経過とで作り出される4次元的正弦波です(Fig.8)。受けた感触は、こちらの腕も伸ばされて肩甲骨が浮き(C)、跳ね返った波で今度は腕が詰まってしまい(D)、力は直接体幹で受けてしまいます(E)。腹が上からくる波と下の硬い床に挟まって押しつぶされるようにへしゃげます(F)。

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 Fig.8 勢いをつける必要はなさそうです。ゆっくりでも ちゃんと重く来ます