大阪合気道自主稽古会

流派を問わない合気道の稽古場です。小説、漫画、などが混在しています。稽古記録はタグをご利用ください。出典明記があれば図の引用については問い合わせ不要です。。

稽古記録93 (2019/4/4)

2019/4/4 (木) 10:30-11:30  吹田道場 吉田先生

                   <まとめ >

 1.  結ぶ・入る・ゼロ化する・踊る

 

 結ぶ練習特集です。

 
1. 結ぶ練習:隅落としその1

隅落としを分解すると、①横の円に返して入り、② 横切りして、③ 後ろに落とします(Fig.1 A)。

普段はこれらの動きを全部するわけではなく、ほとんどは腹中で済ませるので一瞬の技に見えるそうです。次にこれをやります。

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  Fig.1 A円の動きは球面を撫でる

 

2. 結ぶ練習:隅落としその2

持たせる前に上記①は腹で行います。②の動きも受け手としてはほとんど感知できません。③ぽい動きが1番目立ちます。腹の中では何が起こっているのでしょうか。例えば『脳で「動作開始。キャンセル不能」の信号が発せられたが、まだ筋肉まで信号が到達していないか、伝導がバグって筋肉は収縮していない』くらいの状態でしょうか。上手い入り身をされて一瞬動けなくなるときと似ていますね。わざと自分からその状態を作るとなんだかジリジリします。うまい人は、その行き場のない「溜め」が、触れると同時に相手に伝わり、相手は作用を受け自分はへいちゃらのまま(Fig.2)なのかもしれません。これは電荷で一杯になってるコンデンサが、アースされて急に放電する時に似ています。

f:id:fanon36:20190404165538p:plain Fig.2 触れるなり崩されることがあります

今日は、結びができていなければ始まらないことを練習する日なので、結びに対して別方向の講義がありました。相手と自分の運動を合計してゼロになるような「ゼロ化」が結びに大切だが、特定のパラメータではゼロに見えても実際は空虚ではないということ。同じ静止姿勢でもスプリンターがスタート切る直前の静止とボーっとしている人のとは違います。交感神経と副交感神経は引っ張り合って調整していますが、両者の力が均衡してロープが動かないのと、だれも引っ張らないから動かないロープとは内蔵するエネルギー量がちがいます(Fig.3) 。でもロープ中央値はどちらもゼロ点。 

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 Fig.3 A:機能不全 B:興奮 C:弛緩 D:理想的な戦闘態勢(リラックスした集中)。AとDのロープ位置は同じゼロ点。

 

3. 結ぶ練習:そのまま呼吸法など
結んでいれば無心に手刀を上げ下ろししたり転換したりすれば技になります。逆半身片手持ちを上記隅落としと同様に結んでから振り上げたり(Fig.4 A)、振り下ろしたり(B) 。

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 Fig.4 呼吸投げになっている


4. 結ぶ練習:座り呼吸法・推手

今日の座り呼吸法は結びの練習になります。推手のように相手の力を感じてついていくと自然とダンスみたいなリズムが出てきて楽しいです。流れで縦・横の円で転がします。転がされる方も楽しいです。

 f:id:fanon36:20190404234104p:plain Fig.5 レクリエーション