2019/4/3 (水) 10:30-11:30 吹田道場 吉田先生
1. 斜め切りをつかう
2. 縦と横の円をつかう
ななめ切り(袈裟斬り)の練習です。
1. 縦横の円の復習: 前受け身
逆半身片手持ち(Fig.1 A)で外に丸く(これは横の円=窓拭きです)貰って下まで返しきります(B)。相手を向こうにやるのは縦の円で(C)。手刀を完全に相手に向けて無理なく(稽古記録88 Fig.2 E参照)。
Fig.1 復習
2. 横の円+ななめ切り: 後ろ取り衿持ち
受は後ろから右手で片手取り、左手で右衿を掴みます(Fig.2 A)。取は右手(か両手)を窓拭きするように外回しの円で上げます(B) 。釣りあがった受の右手を左手で三教取りします(C) 。
が、今回は後ろから衿取りしている受の左腕が邪魔で三教を決めにくいです。体でかけようにも受にぶつかってしまいます。そこでななめ切りしながら自分がよけて受に道をあけてあげます(C) 。ななめ切りは受を目標に小さくやるのではなく、背後にいる第三者を切るつもりで大きくやります。刃がかすらないクリンチポジションにいる受が落ちるのは不思議ですが、盛平先生がぶるんとしたら鈴なりの弟子たちが吹っ飛ぶ動画のように、よい体捌きは全方位なのかもしれません。
Fig.2 斜め切り
3. 縦の円+横の円+斜め切り: 入り身投げ
正面打ちを振り上げで受けます(Fig.3 A)。相手の方に打ちに行くとぶつかって結べなかったり、滑って受け損ねたりします(B) 。ただ1人で手刀を振り上げます。打ちが来たら吸い取りながらこだわらずにウルトラマンのツノみたいな正中の定位置に(C)。打ちの運動エネルギーは上肢を素通りし、体軸の回転に使われます(D)。上肢は反発しないのでくっついたままになり、横の円→斜め切りにつなげると入り身投げです。
正面打ちを受けるには接触前から架空の杖の先端を意識し、結ぶために杖の軌跡の集合でできた曲面(球の表面)上を滑らせるように(Fig.4)。
Fig.3 自分が真っすぐしておく
Fig.4 球の表面づくり
4. 斜め切りの上半身: 座り呼吸法
今日のテーマの斜め切りでやってみます。取らせた両手を横の円で返して相手を浮かせます。そして斜め切りで入ります。この入りについて、普段は転換のような回転で入ることが多いと思いますが、今回は直線的で鋭い感触です。運動としてはスピン(Fig.5 A)でなくスライド(B)のようです。
Fig.5 Aの独楽もBの衝突球も、それぞれの系の中でエネルギーは保存されている
同じだけ前に進むために、回転運動ではスライド運動より約1.5倍の距離が必要です(Fig.5 下図)。力の方向が分散せずスピードが速いスライド運動の方がピンポイントでガツンとくる感触になるのでしょう。気がつくと崩されているような感じです。スピンとスライドを混ぜて上手く使えると可能性が広がって面白いですね。