2019/3/27 (水) 10:30-11:30 吹田道場 吉田先生
1. 引力のある腕をつくろう
2. 剣の振り上げ動作の精密さ
結ぶ稽古です。相対する前に状態を作っておくなど条件は色々ありますが、今日は腕そのものにフォーカスを当てます。要は正確な剣の動作を、慌ててしまいがちな技の中で使うための段階的練習です。(前提として正しい剣の振り上げ動作が求められます。いまいち上手くいかないときは、この動作の練習に戻るのもありです。)
1. 振り上げが正確か確認: 両手持呼吸法
ベーシックな振り上げ動作をやってみて受の手のひらがピッタリくっついているかどうか(Fig.1A)。早くやると受の手のひらが浮きそうになるのを感知できないので、ゆっくりやります。手のひらが離れた時は、その前の動作の何かが良くないのです。次の練習に進む前に原因をクリアにできれば理想的です。
Fig.1 実際は剣は持ちません。くっついていたら受をCの体勢にできます。
2. 体の中心軸で回る: 後ろ諸手持ち
剣の上げ下げのみでは技に自由度が足りません。体幹の回転とコンビネーションで使うと、立体的で自由な動きができます。その体の軸を回転させる練習です。
後ろ諸手持ちで強く固定されます(Fig.2 A)。一旦 体の芯以外を脱力して、濡れた犬が水を切るようにぶるんとします(B)。こうすることで取は硬さが取れ、受は取にしがみついてバランスをとっているという、取に有利な体勢を作ります。次に吊り上げは、縦方向の振り上げではなく(C上)、窓拭くように、横に丸く(C下) 。体前面に相手を落とすときは手刀の刃を完全に相手の方向に(E)。背中から十分に上肢を回内すると、受は滑り台を滑らされたような気持ちいい投げられ方になります。
Fig.2 手のひらがくっつく方向を探る
3. 振り上げと回転の合成: 正面打入身投
上の2つの動作を足します。剣の振り上げ動作に正面打ちを巻き込み、くっつけます。(Fig.3 A)。体軸で回転しても手がくっついたままなら、片手で入り身投げすることができます(B)。
Fig.3 A回転が先行して加わり、接触時点では腕は回内気味になる
正面打ちを受けようとして視野が狭くなってしまうことがあります。静かに剣を取り上げてまっすぐ振るだけの動作を身につけましょう(Fig.4 A)。先生は2人で剣を持って相対してこの動作を練習されましたが、おそらく相手を気にしない動作の学習に役立つと思われます。「相手がいつ・どのように打って来るか」より、「自分がいかに正確にこの動作をするか」の方が技の完成にかかわります。
Fig.4 落ち着いて。