大阪合気道自主稽古会

流派を問わない合気道の稽古場です。小説、漫画、などが混在しています。稽古記録はタグをご利用ください。出典明記があれば図の引用については問い合わせ不要です。。

稽古記録87 (2019/3/22)

2019/3/22 (金) 18:20-20:30  吹田道場 吉田先生

                   <まとめ >

 1. 朝顔の手で相手に頼られることによる「くっつき」

 2.小手のコース取りは相手をとらえ続けるように

 

今日は「くっつき」の練習です。合気道的に言うと結び続けることです。

前半は(1)腕を回外(外側に回す)、後半は(2)回内で くっつけます。

1.腕を横に回外してくっつき

1-1.呼吸投

相半身片手持ち、手のひらは上に(Fig.1A)。てのひらを、五本の指先で卵をそっとつまむような朝顔型にして くるりと上向にすると、握らせた受の掌がピトリとくっつく(B)。くっつく感触を確認してください。そのまま親指を受の顔に向くように腕を内側に回して 呼吸投げ(C)。

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 Fig.1受のくっつき方を感じながらゆっくりやる

くっつきが悪いときは、手を朝顔にする時 脇があいていることがあります。静かにお茶を頂くときに肘を張ってりきむ飲むと、お湯が顔にかかりますね(Fig.2C)。この小手を回外して上にあげる動作を「そばを出前持ち」と説明されることもありますが、良い例えです。なぜなら勢いよく掲げたら蕎麦が飛んで行ってしまうからです(D)。静かに、静かに。

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 Fig.2 なりきる。

1-2. 入身投げ

相半身で正面打ちを受けて結んだところから始めます(Fig.3 A)。朝顔の手で結んだまま拇指を先頭にして進め、相手のエリアに入る(B)。スルスルとくっついたままいくと、受の喉元に入るときにも受の手はついてくるから、入身投ができます(C)。

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 Fig.3 Cで腕を返す時も同じ圧でくっつきを。

1-3.前受け身

手のひらを上にむけて誘い、逆半身片手持ちさせます(Fig.4.A)。手を朝顔にして二教に返して入り、前受け身させます(B)。朝顔の手は受に押し付けずに、自分の中心近くに引き寄せておきます。ぎゃくに受の方に伸ばすと、脇が開いて肘が浮き 受は容易に押し返してきます(C)。

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 Fig.4 Bでは引っ張らずに受に合わせる


1-4. 座り四方投げ

正座して片方の手のひらを上に出して誘って持たせます(Fig.5 A)。剣の切りおろしの動きで、持たせたまま手を床に落としおろします(B)。受の手首を逆の手で持ちます。刀の握り方と同じく小指と薬指で。剣を振り上げるように小手を親指側に起こし、正面に振り上げます(C)。受けを自分の後ろを回るように導いて四方投げ(D)。剣の手で決めると受は結構痛いので無理に引きずり回さず、受が自然に足を運ぶのに合わせてやります。

  

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Fig.5 結びを感じながらなのでゆっくり

 

2.腕を縦に回外してくっつき

2-1. 四方投げ

逆半身片手持ちを、よく言われる手鏡のように返します(Fig.6A)。しかし留意すべき点は、短剣の先に見立てた親指を相手に向けて捉えることです(B)。刀を受の方に伸ばすと、受が安定して強くなり逆に優位になるし、くっつきも弱々しくなります。くっつきとは、受がバランスを崩して取を頼りにしている状態ですから、Bのごとく自分の中心に受を巻き込むようにすると、くっつきがよくなります。そうすれば受の攻撃力を削いだまま取の背後へ回して四方投げができます(D)。

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 Fig.6 2人合わせた物体の中心点が自分の中心に一致するような体勢がくっつきを生む


2-2.前受け身

上の捌きを短刀を持ってやってみます。まず短刀で受を狙い、片手取させます(Fig.7A)。そして手鏡や「いないいないばあ」のように脇を締めて手を返します。この時の小手のコース取りはどうすればくっつきが緩まないでしょうか。はじめに結んだとき受を捉えた刃先が、受からずれると、結びが解けるのがわかる。刃先の延長線がいつも受を捉えるようなコース取りで小手をかえしていくと 解けません(B)。このとき受は前かがみになると顔を突かれるため、良い姿勢で腹から動く受け方をするでしょう。しかも握った手を離す刺されるので離せず、くっつきを解けません。

このあと、「の」の字を書くように落とします。今度は短刀の切っ先ではなく、刃の長いところを相手に向ける、撫で斬りに行くときの小手です(D)。受は手を離せない状態で攻撃力を封じられたまま体勢を崩します。そうなれば刃を受に向けた切り上げ袈裟斬りで前受け身をさせます(E)。

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Fig.7 刃であっても 相手を捉えている

2-3.一教返し

受が一教を決めようとする体勢から始めます。接する前から、取の腹から手先まですでに何かが勢いよく流れ続けているイメージを持ってください(Fig.8 A)。充実した腕を受が押してきても自然と巻き込みの回転捌きがおこります(B)。その回転を続け足も合わせて転換すると呼吸投げになります(C)。

押してきたのに腕で対抗しようとすると、ぶつかって止められます。違いを感じましょう。

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 Fig.8 止まることなくモビールが風に吹かれるように