2019/3/15 (金) 18:20-20:30 吹田道場 吉田先生
1. 体捌きの基礎をまず固めよう。
1.剣切り下ろし動作で捌く
1-1. 逆半身で対面します。受が胸持をしにくる左手を、掴まれる前に剣を切り下ろすときの右手ですらりと落とします(Fig.1 A)。
1-2. 上と同じ攻撃を、開いて転換しながら左手で落とし (B) 、受の拳をクルリと返し押さえ込みます (C) 。
Fig.1 手をつかみにいかず、剣の切り下しで真ん中から取る
2.円の体使い
肩持で体幹に接した受の力が切れないように。
2-1. 横の円
相手の力をもらって横向きの円をえがくように返します。もらうときに先走って引きすぎて、結びを切らないように(Fig.2 A)。返すときは、みぞおちにパンチを入れられても大丈夫なくらいお腹から進みます(B)。肩と腹の方向が一致しているので、円は比較的横方向になるのです。
Fig.2 腹が充実している円
2-2. 縦の円
今度は縦向きの円を描いて返します。ここでは横の力を縦に変換します(Fig.3A) 。相手の力を斜め上に貰うときに自分も浮いてしまうのがよくある失敗です。不安になると顎や目線が上を向いてしまうのがわかるでしょう。これはよくありません。「最終的に、力を下に逃がした自分たちの状態」をイメージすると、それを防ぎます。受け取った力は自分の足元に落とすようにするため、2-1とは逆に取の腹は空虚です(B) 。
この円の動きは手で操作もできます。「体内の回転する球を取り出して掌の中で回す (稽古記録80) 」のも使えます (C) 。
Fig.3 腹が空虚な円
2-3. 片手持で円
片手持でも同じことです。手を握られても体使いは2-2と全く同じです。丸くもらって足元に落とします (Fig.4 A) 。手首は手の甲側に返して指を相手に向けます (B) 。そして踏み込んだ膝上を滑らせるようにして床に落とすと、楽にできることが分かります (C) 。逆に、手首をまげて内向きにしてしまうと、内向きには強い円ですが外向きの力にはなりにくいです (D) 。そういう両手で円を作るときの手の形は、内に引き込む呼吸法などにはよいです。
Fig.4 手であっても結んでしまったら体捌きは同じ。
3. バウンドする指
3-1.一旦バウンドしてから指方向へ
力を出すには指を相手に向けることが基本です (Fig.5 A) 。2-3でも相手に指が向くように手首を返しました。しかしそれだけでは弱いことがあります。いったんバウンドするように沈ませてから、指方向に進んでみてください (B) 。沈み込ませによって、緊張して詰まってしまった肩や肘が伸びるということです(下図) 。
Fig.5 どうやって平常通りを維持するか
3-2. 座り呼吸法で
以前に両手を上から押さえつけられたとき、指を相手の方に向けてから指方向へ進むやり方をしました (稽古記録78)。そのとき、いきなり指進みをすると肩の力が抜けていないことがあります (Fig.6 A) 。進む前にいったん沈めて上肢の詰まりを取ると、ずっと楽にすすむことができます (B) 。このときがんばって上方に上げてしまわず、指の方向へ真っすぐ進めましょう(C) 。
Fig.6 座り呼吸のやり方はいろいろ。