大阪合気道自主稽古会

流派を問わない合気道の稽古場です。小説、漫画、などが混在しています。稽古記録はタグをご利用ください。出典明記があれば図の引用については問い合わせ不要です。。

稽古記録82 (2019/3/14)

2019/3/14 (木) 19:00-20:00 住吉道場 吉田先生

                   <まとめ >

 1.  作り上げた意識状態(グレーゾーン)を維持する 

 2. リハビリ体捌き

 

技の肝心な箇所にくると意識しすぎてしまい、体が固まったりバラバラになったりして困っている人は多いです。この「意識しちゃう問題」について、稽古中に「ほら、またできてない!」と人にやたらに指摘し、技にかかろうとしない行為を見かけます。これを繰り返しても改善しないどころか、ネガティブな反射回路が強化されてよけい脱却困難に陥ります。そんな言動は、教育学的呪いでしょう (発言は本人にも影響するため、発言者自身も上達が停滞しがちです)。今日は、そんな好ましくない回路を解除するリハビリ的な稽古です。私が好きな中二病的に表現すると"エクソシスト"ですぞ。

 

 1.真ん中で力を受ける (出す) : 三角受け(稽古記録80参照) 

みぞおちの前あたりで両手を合掌のように片手持を受けると楽です (Fig.1 A)。(本当は受けるというより力を出す、です。)こうすると安定して結んでいる感覚が分かります。そのままの形で180°転換します。大切なのは、転換するときに「さて転換しよう」と考えこまず、結んだときの感覚をそのまま維持することです。そのためには、一旦結んだら、最終的な姿をイメージ(転換し終わった自分の姿)します (B) 。意識は一瞬でイメージに飛びます(C) 。一方、実際の体は時間をかけて転換しているわけですから、この段階では意識と体の解離があります(D) 。この「意識の空白&身体運動はオートマチック運転」状態を「グレーゾーン」と呼びましょう。オートマチック運転には基本的運動を身につけておく必要があります。

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 Fig.1 効果的な練習のため、受は粘り腰でついていくようにしましょう。

 


2. 片手だけで、真ん中で受け(出し)続ける:丸受けで四方投げ

上記の転換に慣れたら合掌を解いてみましょう。もともとは受に握られているのは片手だけですから、もう片方の手は必要ありません (Fig.2A)。握られた側だけを使って、合掌しているときと同じ感覚で転換してみましょう。それができたらフリーになっている手を添えて四方投げができます(B) 。合掌したままでも受とちゃんと結んでいれば合掌を振り下ろすだけで四方投げになります。 

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  Fig.2 片手が無理なら合掌状態に戻って練習しましょう

 


3. 真ん中で受け(出し)続ける:転換前受け身

合掌で受けてから (Fig3 A) 、両腕をまるくしてかるく左右の指が接するくらいにします(B) 。三角受を丸受に変化させるのです。その形のまま転換します(C) 。さらに意識をそのまま転換をつづけながら受を下に落とします(D) 。最後は前受け身などで納めます。転換の途中で意識状態が変わると受がついてきてくれません。受は180°転換まではねばり腰で、それ以上転換されたら足をつかってついていきます。 

 

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  Fig.3 受けのうまさが稽古の成否をきめるかもしれません