2019/2/23(土) 13:15-16:45 白石太志先生
1. 論理の理解が大事
今回は個人的なメモノート&資料倉庫です。当自主稽古会の参加者には実演とともに共有しますが、その他の人にとっては面白くない内容になってしまいましたので読み飛ばしてください。
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白石先生の無元塾大阪開催2回目です。内容は1回目の内容(稽古記録55, 56参照) を角度を変えて説明されました。体感としてはパワーアップされているようでした。今回は個々の技術というより中心帰納の成り立ちを頭脳で理解することをしました。今回の分かりやすかった図は下記です。成田先生が使う「腰回り」という単語が身体使いではなくイメージングであります。用語を身体系・意識・イメージの話、に分けて考えると理解しやすいです(Fig.1)。重なる部分や分類が難しいものもあるので、暫定的な図です。
Fig.1 例えばこのように分類できるという図。
この図は、漫然としていた日々の基礎練習を行う際に有用です。自分用に次回まとめてみます。
<資料倉庫>
あと、白石先生が配布されたキーワードのハンドアウトがあります。合気道の講習会でハンドアウトと講義があるのは珍しいかもしれませんが、複数の先生方が「合気道は頭脳。」と言うのを聞いたことがあります。ハンドアウトだけよんでも分かりにくいですが、今後たびたび使うと思われますので資料として以下に書き写します。簡略化しています。
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成田先生中心帰納合気道教室 2019年2月23日 大阪2回目
今日のテーマ:理/事/事理一致/事理相忘 修行の4段階
“撃剣の方術は事理の二つを練磨するにあり。事(じ)は技なり。理(り)は心なり。而(しこう)して練磨巧(こう)を積むときは、事理一致の妙処(みょうじょ)に至る。 猶又(なおまた)練磨究尽(ぐうじん)して、事理共に相忘(そうぼう)するとき、一剣倚天寒し(いっけん天によってさむし)。如是妙術(にょぜみょうじゅつ)の奥義(おうぎ)を得るには、自ずから練り自ずから鍛ひ、刻苦工夫心身を打失(たしつ)して年月を経るとき、自然に其の甚深の妙理に到着す。 譬(たとえ)ば水を飲んで冷暖自知(れいだんじち)するが如し。是(こ)れ之(これ)を以心伝心(いしんでんしん)無刀流の剣術と云也(いうなり)”(無刀流開祖 山岡鉄舟)
=無意識でしていることを意識的に行い、また無意識にかえすという稽古のプロセス。
[1]事の修行
1-1. 空間:遠間・打間(フィールドと始点)
相手の認識が遠間の始まり。剣では打間(9歩の間合。3間5.5m)から始まり剣先が触れたときには先になっていることが目的。ポイント①打間に入ってからは思考を消し居着きを排する。②打間の中では、存在するのは自分ひとりだけ。相手はおりません。
1-2. 頻度:一足一刀(中心帰納の連続)
打間は1人とはいえ相手の剣が届く危ないため臆してしまい「二心」になりがちです。これをコントロールするのが中心帰納を連続的に繰り返すこと。
1-3. 残心 (終了)
勝負がついたらすぐ勝負前の状態に戻る。戻る、戻る、戻る中帰。
[2] 理(イメージ)の修行
2-1. しもく、半身、映し目、正眼(≒中段。剣先が相手の目)、中心軸、丹田、添え手(柔らかい)、8体捌き。
2-2. 球のイメージ①3軸、流転、円進=ゴロリ、動中静 ②回り打(絶剣 天の打ち、拍子打ち)、回る間合い
2-3. 拍子
2-4.浮き・開き、抜け、返し
2-5. 惣身(円和、和合、調和、無対立、弛緩集中、合気、一体感)
2-6. 陰陽一体、不用意の用意、二心なし、
2-7. 虚を攻める(乱れ崩れる=心を乱すことで体を崩す)
2-8. 中心帰納、腰回し、入り身の真、360°
2-9. 小太刀・剣・杖。日常への応用
[2-3詳細] 拍子(区切り無い拍子が自分にはある 相手にはない)
①自分の拍子でやる。②無拍子=相手の動き(衝突・攻撃)のたびに区切りをつけない。③一筆書きのように。④はずみで打っちゃった=拍子打
[2-2詳細] 球のイメージの提案
- 2軸以上の動きが球(3軸じゃないの??)
- 体の全関節が回ることを想像
- 各軸の運動幅が極端に異なると球にはなりません。
- イメージした球の移動:円進という、「溜めや助走のないゴ…ロン…ゴロン…ゴロンゴロン…」
- 具体的な球イメージ:大きさ、質、重さ、その中心を集約して点に→事項
- 球の中心:場所、収束、密度大きさ
- 球の方向性:360°の放射
- 段階的にイメージを練習。抽象度が高いため完全なイメージは困難。Step by stepで。
- 球イメージを日常生活に組み込む(習慣化できるルーティン作業の具体例を考えよう)
- イメージを無思考に落とし込む:さらなる抽象的な感覚を味わう、自然に消えるまでの間。
- イメージしつくして、完全に忘れる。
- 瞑想が嫌いな人に代用として使える。
[おまけ ポリヴェーガル理論:恐怖に対する3種類の反応]
- 社会神経システム:なだめ
- 交感神経システム:闘争&逃走反応
- 副交感神経システム:疼痛に備えて感覚を鈍感に、身体を固くする
(この理論については後日に記述します。)