芦屋市でH先生の第一回公開講習会がありました。稽古記録54で登場したH先生が作っている稽古プログラムをダイジェストで紹介するものです。20人以上参加していました。参加者達は合気道系、打撃系、H先生の仲間系 と経験によって分かれて稽古しました。参加者が多い場合は このようにグループ化することは、怪我を防ぎ、リラックスして練習できるというメリットがあったと思います。
今回はその日の稽古ステップを紹介します。項目は①単純力技 ②リラックス力技 ③メソッド四種 です。私達大阪稽古会の分類でいうと、①と②が合気道、③が合気です(合気道と合気の区別については稽古記録22をご参照ください)。
Fig.1 体全体を1つにすると、ちょっと爪先立ちするだけでズシっとくる(B)。運動量(速度x質量) が同じでもネズミが猛スピードで来るより、象がゆっくり迫ってくる方が怖い。
【1】単純な力技
大きな質量が動くときには大きなエネルギーが出る。腕だけを動かすより体全体を動かすことを勧められる理由です。例えば体重60kgの人の片腕の重さはたった4kg*です。腕をたくさん動かすより(Fig.1A)、60kgの体全体を少し動かすほうが、相手に大きなパワーを与えるということでしょう (Fig.B)。
*身体各部位%体重=頭部7%、胴体43%、上肢6.5%(上腕3.5%、前腕2.3%、掌・手指0.8%)、下肢18.5%(大腿11.6%、下腿5.3%、1.8%) ([2] 身体計測[body composition] | ニュートリー株式会社)内文献 The A.S.P.E.N. Nutritional Support Practice Manual. ASPEN. U.S.A. 1998
【2】リラックス力技
合気道で言う「折れない手」で、出発点と中心軸を結んだ最短距離の直線運動。お金を拾う、とか ビールを飲む、と表現されますが、ポイントはその前に「折れない手」をきちんと作ることです (Fig.2)。
Fig.2 だらしなく呑む(A)のではなく、スマートに飲む(B)。
【3】Hメソッド
メソッドはラジオ体操のように1部と2部に分かれており、今回は1部の中から「開き」・「切」・「包」・「詰」という4つの生理的反射を利用した技を紹介されました。とくに、相手の肩に向かって素早い圧縮を加える「詰」が面白かったです (Fig.3)。練習としては、いわゆる合気上げです。
Fig.3 私が好きな詰のイメージ。キュッと詰めると動かしやすくなる。
他の練習の仕方は、「開」は向かい合って座り、両手を思い切り開き、相手の方へ5mm侵入することで相手のバランスをずらします。もう指を全部できるだけ反りかえるほど手を開くことと、「侵入→停止→頭側直線運動」というHメソッドの基本的な入力方法を守ることです。
「切」は肘から先だけをヒュンッと動かします。胴体から前腕が生えているように機械的な動きです。
「包」は女の人が得意な、方向性を作らない触り方です。片手と両手をやりました。
<感想>
2時間半の稽古ですがあっという間でした。分かり易くて楽しかったです。私は参加者なので自分が感じた範囲でしか書けません。日付は未定ですが第2回の公開稽古を開催する予定だそうですから、もし実際に体験したい人は当方にコメントメールでお問い合わせください。