大阪合気道自主稽古会

流派を問わない合気道の稽古場です。小説、漫画、などが混在しています。稽古記録はタグをご利用ください。出典明記があれば図の引用については問い合わせ不要です。。

稽古記録51 (2018/9/1) 東京本部

  2018/9/1(土) 06:30-07:30 東京合気会本部道場

                   <まとめ (記録51-53共通)>

 1・手と腹をつなげる

 2・良い姿勢を保つ

 3・道を譲る

 

この週末は3か所の道場へ行きました。あちこちで連続して稽古したら混乱するかと心配しましたが、むしろこのやり方によって稽古の本質が際立ちました。それぞれの達人たちがおっしゃった内容が、驚くほどピッタリと共通していたからです。おなじ武道をしているのだから理屈でいえば当然とはいえ、人によって多様過ぎる合気道においては、感動的な現象でした。

その共通点とは上記の3点です。「なんだ、よく聞くことじゃないか。」と思われるかもしれません。私も何度も注意されたことです。しかし本当にこれだけをしなければならないんだな!という説得力の重さがガツンときました。表現しにくいですが。

もう一つ印象深かったのは、後で思い返すとどの先生も形や小手先のテクニックには全く言及されなかったことです。

今回から3回は、各道場での 細かい内容を記録していきます。はじめは東京本部道場の道主稽古の時間にお相手してくださったY先生。

 

お腹で動くと扉が開く

「手でなくお腹から動く」とは、例えば重い扉を押すときです。腕だけでなく、お腹を前に移動させてから腕に力を伝えますね (Fig.1 A)。人の肩を押すときもです (B)。このときお腹と手が繋がっています。この状態で技をやっていきます。

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 Fig.1 お腹の力を末端に伝える感覚

 

【1】両手持ち呼吸法~腹とつないで、次に逸らす。

<その1>

① 取らせる手をのびのびと伸ばします(Fig.2 ①)。②上記の要領でお腹とつなげる。③手に力が入っていないことを再確認する。④肩より中枢側から完全に脱力する。⑤受が前方につんのめるのを邪魔しないように足で移動=これが転換。

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 Fig.2 実際は一連ですがあえて分解してみる

 

<その2>

① 取らせる手をのばしたまま自然にトコトコ歩きます。②相手にぶつかったら道を譲るようにクルンと回る。「あ、ぶつかった。あ、どうぞ。」

どちらにしても、半身しすぎに注意です。肩を前に出しすぎると体幹がねじれてしまい、力は後ろ踵にかかります(Fig.3 A)。こうなると足が居着いてしまい、良い位置にトコトコ動けません。体幹をまっすぐ良い姿勢にすると腹で受の力を受けられます (B)。

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  Fig.3 Bが足を遣うことができる良い姿勢。

 

 【2】 正面打ち一教 ~点でつながる。

正面打ちをのびのびした手で受けてからブーメランのように自分の体幹近くに。このとき腕を縮めて引き寄せるのではなく、あくまでのびのびしながら。Y先生は手は掴まず2、3本の指先だけを使って「点」でつながります。このときすでに受は相当ひっくり返されています (Fig.4 A)。ちなみに先生の足捌きは、かっこよくシュッシュッと軽快な捌き…ではなく、トコトコと普通に歩いていました。私を導くというより私がつんのめってぶつかるのを避けるくらいの、普段の日常生活での足つきです。「あー暑い。あー暑い。」とぼやきながらです。でもこれが中心を取られるというのか、2本指で押さえられると自分で先生の周りをクルクル回りながら畳に押し付けられてしまいます(B)。

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  Fig.4 分析しているが実はどうなっているのか、感触しか分かりません…

 

【3】正面打ち小手返し~手は伸ばすが、結ぶ点は近く。

繰返しになりますが、のびのびした手で自分の近くへ落とし(感触としては合気下げのような)、おそらく腹を回しながらなので、この時点で小手返の状態になっています(Fig.5)

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 Fig.5 一教もそうですが、結んだ時点で既に崩れている。

 

 

 【感想】

・私は半身を意識するあまり、肩を前に出す癖があります。なんども前の肩を指でツンと直されました。すると前のめりになっていることに気づき、まっすぐと良い姿勢に戻ることができました。Y先生は、いつも上半身がまっすぐです。

・もうひとつは、力が引っかかった時に動ける方向を探す際に、縦方向を忘れがちでした。これは私にとって以前からの課題です。

 ・技はゆっくり行ったので、私が頑張って抵抗するたびにクッと方向を変えて更に崩れることや、こういうわけで受が頑張るほど崩れ方に加速がかかるのがよく分かりました。

こういう技を受ける経験が出来たのはとても稀な幸運ですから、この感触を忘れないように、丁寧に稽古をしていきます。