■ ヨガと合気道の相性
先月末に、合気道に必要なのは体の後ろの筋肉だ!と改めて実感したわけですが、この筋肉群は鍛えにくいものです。自己流のウェイトトレーニングをして邪魔な筋肉がアンバランスにつくのも良くありません。稽古の動きにより自然に鍛えるのが理想とはいえ、学生ならともかくそれだけの稽古時間はとれません。困っていました。
そんな年末に、ヨガにはまっている知人に会いました。彼が数か月前にホットヨガを始めると言った時、私はあまり興味がありませんでした。大変きつそうだし、美容にも健康にも興味がなかったし、ヨガなんてストレス多き都会のホワイトカラーが行くところというイメージ (偏見) だったからです。
ところが細くてヒョロヒョロだった彼が、年末に会ったときには背中にきっちり良質の起立筋がついているではありませんか。自慢気な彼の背中に触った時(今の私に必要なものはこれだ!)と確信しました。ヨガは嫌だがこのままでは私の合気道は行き詰る。背に腹は替えられません。仕方なしに始めました。
が、これが大変よいのです。静止した姿勢でつける筋肉は無理がなく、後ろの筋肉を使うと同時に弛緩させます。弛緩させつつ関節を一つ一つ丁寧に伸ばしまくるのです。合気道とヨガは相性が良いのではないかと思い始めました。合気道がどう変わるか、楽しみです。ヨガ、深い。
知人が通っているヨガスタジオ→ ホットヨガの元祖 ビクラムヨガ|世界60ヶ国1600スタジオ以上
■ 力を抜くとは
合気道ではよく力をぬくように言われます。昔は合気道をする人は元々剣道や柔道などの武道経験者であることがふつうだったので、筋肉がついていることは前提だったのでしょう。しかしスポーツ経験もなくいきなり合気道から入る人に、力を抜けといってもふにゃつくだけです。良い筋肉をつけて、それをうまく弛緩させるということだと思います。
お正月に小山裕史氏の初動負荷トレーニングの説明が大変わかりやすい本「奇跡のトレーニング」を読みました。極端に簡潔にいうと「弛緩と反射」。合気道的に、なるほど〜でしょう?弛緩とは末端です。末端のどこかが緊張するとそこで体幹の力が伝わらなくなるのです。また、拮抗筋も同時に収縮してしまう「共縮」により動きが制限され力が伝わらず体を傷める、という説明には、言われてみればその通りだなあ!と腑に落ちました。クラウチングスタートの不利な点、良いスタートダッシュ、バットの振り方、ピッチングの仕方など、部屋の中で一人で試さずにいられませんでした。
初動負荷トレーニングを指導しているセンターが大阪にもできました。一度合気道の団体でレッスンを受けてもよいかもしれません。脳梗塞後や外傷後、術後のリハビリにも役に立ちそうです。
見学は無料のようです→ ワールドウィング大阪 初動負荷トレーニング®
■ 軸のはなし
ゆる体操の創始者 高岡英夫先生のかなり初期の著書です。昔の武人に言及されているのでトンデモ論に分類される恐れがありますが、そこはおいておいて、一般に思われている軸&重心と違う方向からアプローチされている点のみならず、「自分の体をどう意識するか」という形に残らない面が時代とともにどう変わってきたかの考察が興味深いです。たしかに自分以外の人が体をどう意識しているかはわかりませんね。これを知らないと、人に指導はできないはずだと思いました。
■ 頭で合気道
ほとんどすべての本や理論に、「!」と思わされることはあります。なかにはトンデモ風のもありますが、役に立つかどうかはともかく皆それぞれ探求せずにおれないという姿勢が好きです。立ち止まらず探求を続ける人は自然な謙虚さがあり、感じが良い。