大阪合気道自主稽古会

流派を問わない合気道の稽古場です。小説、漫画、などが混在しています。稽古記録はタグをご利用ください。出典明記があれば図の引用については問い合わせ不要です。。

稽古記録17 (2017/12/11)

  ★ 基本 ★

体捌きから見た基本技:腰が低くないと動けません

  <稽古記録>

2017/12/11(月)18:30-20:00 地下道場  <参加者>2名 <負傷者>なし

いつもの準備運動は1人体位の転換です。体の使い方の練習なので、実際の体位の転換のように手の位置固定はいりません。自然な重力加速度で回る。砂の山から掬ってむこうに放るように (Fig.1)。

f:id:fanon36:20171212115733p:plain Fig.1 上肢はブラブラ

今回は体捌きを基本技のなかで応用します。

【1】 四方投・片手(続き)

前回の続きです。四方投体捌きの準備運動では、振り上げた手は頭の上でなく額の前です。手が高すぎるとこちらが弱い体勢になり崩されてしまいます (Fig.2)。 この低さでありながら受にぶつからないようにするには、腰の位置がかなり低くなります。足腰が弱いと疲れてすぐ動けなくなってしまいます。

f:id:fanon36:20171212115808p:plain Fig.2 手はBのように前額部に位置したまま転換

 腰をひくく、手は親指を使わない摩擦持ちで、外れてもいいくらいの軽さで持ちます。これをしっかり持ってしまうと、角度が悪いと受が肘を傷めます。

 【2】 四方投・両手 表

握るのではなく、両手を平たく使いサンドイッチする (Fig.3 A) ようにすると受の軸が良く分かります。そのままふつうに表四方投します。それができたら両手を時間差で使います。Fig.3-Bの左手(1)で横面打をまず受け止め、右手(2) (片手四方投で使う側)で受けます。両腕を図のようにクロスすると空振りせずに済みます。これを横から見ると右手は臍前まで引き下ろされています(C)。この上下に大きい運動が四方投げ(と次の小手返し)の特徴です。 指は折れないように揃えておきましょう (D)。

f:id:fanon36:20171212115850p:plain 

Fig.3 倒す事に拘らず どれくらい軽く持てるかを体感

受は手を取られたあとは肘を体幹に引き寄せておきましょう (Fig.4 A)。肘が伸びていると骨折の危険があります。

f:id:fanon36:20171212115930p:plain Fig.4 Bは大変危険な角度

 【3】 四方投・両手 裏

時間差で臍前で受けたところまで同じです。表は受の全面に入りました (Fig.5 A)。その場合、受は前につんのめる姿勢になります(四方投崩れの図は「稽古記録2017/11/17 Fig.3,4」を参照)。

さて、裏は受の背後(B)に入るので受は四方投げ崩れにはなりません。結んだ位置もあまり動かないので「あれ、崩されないぞ?」と油断した瞬間に、後ろに重心を崩されます。指を巻き込まれた小手返しを受けたような崩れ方です。 

 f:id:fanon36:20171212115957p:plain Fig.5 似ているようで全然違う表と裏

【4】小手返の体捌き

体捌きに注目しています。籠手をどう取るかは別の機会です。受の左突に対して、1. 転換しながら拳を取り、左足を大きく引きます。2. 拳を取った右手を左膝に打ち付けるくらい低く降ろし、同時に実際に右手が自分にぶつかる前に転換を開始 3. 右足に体重が乗るタイミングで上体が起きる結果として結んだ手の位置は上昇 4. 足を揃えるために左足を引く。籠手返す。

  f:id:fanon36:20171212120031p:plain

  Fig.6 1人で小手返

 1で左足の引きが小さいと2で十分落とせません。また足を大きく引くには腰を低く落としていなければできません。やはり、足腰の鍛錬が必須です。

小手返の上下運動は、Fig.6での2で沈み3で浮き上がるリズムです。

 【5】小手返運動 2人組

2人組になって上記の小手返運動を連続してリズミカルに行います。四方投の時と同様、片手で行ってみましょう。Fig.6での右手だけ使うのです。実際に技をかけるときはきっちり外れないようにしますが、練習ではシンプルにすると技の骨格が分かりやすいです。

 

    <Debreafing>

ずっとダンスしてるようで運動量の多い日でした。床がフロアで受け身ができない稽古場では珍しくいい汗かいたスポーツ的合気道でした。こういうのも楽しいです。

例えば力がとても強い相手など、合気道の身体技法の効力には限界があります。が、だからといって軽視せず、身体技法を自分なりの最大限に使えるように稽古しておきます。その上での内面技法でなければどちらも生きないでしょう。

毎週練習しても、道場にいる時間は1ヶ月で5,6時間に過ぎません。社会人では道場外でどれだけうまく稽古するかが工夫のしどころです。一般社会に紛れながらひっそり稽古しましょう。階段を上がるとき腰を落とすとか、デスクワーク中に仙腸関節を柔らかく使うとかです。人にばれない程度にすることがゲームのようになって、楽しくなりますよ。

  @ POLPO 

f:id:fanon36:20171212114944j:image f:id:fanon36:20171212115016j:image