精神の状態を意識的に変化させることは、昔から人類の興味の的でした。瞑想とか自己催眠、正念、スピリチアルなど、どの文化にも見られます。ここでいう精神状態が脳の機能的変化とある程度関連しているという前提のもとに、精神状態を定量的に評価し、さらにコントロールすることが研究されているようです。
合気道についても、達人と呼ばれる人の肉体的特徴のほかに精神的(生理的、神経学的)特徴について武道家の興味を引いてきました。これを客観的に記録し、フィードバックすることで達人の追体験できるとしたら?
先日、川人光男博士(ATR脳情報通信総合研究所) の講演を聴きました (中之島リーガロイヤル 10月26日)。大変エキサイティングな1時間でした。
テーマは「人工知能で脳を操作する」
脳をモニターする、じゃないですよ?操作するんですって(decoded fMRI neurofeedback)!
脳をrealtime functional MRIで調べます。ある課題を達成するためには、どうやらこういうパターンで機能しているらしいと同定する。そのパターンに近づくと良いことが起きるという条件付けをする。そのパターンが習慣化する。 みたいなかんじ?
と理解しました。ITについて疎いため理解がずれている恐れあり。詳しくはATRのページを御覧ください。
<引用終わり>
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このように本来随意的にコントロールできない脳内の回路を、NF(ニューロフィードバック)によってコントロールしようというのです。fMRIを使ってオペラント条件付けのようなもの。(オペラント条件付け:報酬や嫌悪刺激(罰)に適応して、自発的にある行動を行うように、学習すること)
終
<おまけ>
リアルタイム機能的 MRI・脳波ハイブリッドニューロフィードバック(NF)システムによる脳活動の自己制御および運動学習の強化 (設楽仁 第31回若手研究者のための健康科学研究助成成果報告書 2014 pp.77-80
http://www.my-zaidan.or.jp/josei/publications/pdf/kenko-31/R31_77-80.pdf)
被験者の脳活動をリアルタイムにフィードバックすることによって目的とする脳活動へと自己制御できるようにするトレーニングを目指す最適な情報源とは。という論文。