灰色で表面がごりごりしているブロック塀に、ちょうど目の高さに蝉の抜け殻がとまっていた。火曜日の夕方に秋が来た、と思ったくらいだから、随分長く引っかかっている。体が中で溶けてまた変わっていくのはどんな気持ちだったろう。その夜 杵島篤子は薄い夏…
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